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白河桃子「ここがおかしい」

官僚「メディアはセクハラに強い女性記者を寄越していると思っていた」…異常な実態と思考

文=白河桃子/少子化ジャーナリスト、働き方改革実現会議民間議員、相模女子大学客員教授

 よく「思わせぶりな女性が悪い」「女を使って仕事をしている」と、セクハラされる側を責める風土があります。しかしこの場合、アンラーニングしなければいけないのは、「メディアの女性にセクハラしても大丈夫」と学んでしまった「取材を受ける側」となります。ある女性記者は#MeToo騒動のあと、官僚に「セクハラに強い記者を寄越しているのかと思った」と真顔で言われたそうです。

 今、霞が関では、さまざまなレベルでセクハラ研修が盛んに行われています。しかし意識の低さは「驚くばかり」とのことです。組織として、職業人として、「セクハラは自分のキャリアと組織のリスクとなり得る」ことを新たにラーニングしていくしかありません。

「女性がいかに気をつけるか」という「される側」への働きかけが多いのですが、やはり「セクハラはうまくかわすのがスキルのうち」ということが根付いた労働環境は、とても生産性が高いとはいえません。そのために優秀な人材がメンタルを病んだり、辞めたりする。これは企業としても損失です。また次世代の女性たちはどんどん逃げて行くでしょう。

 セクハラをする側の「アンラーニング」を、ぜひ企業の課題としてほしいと思います。
(文=白河桃子/少子化ジャーナリスト、働き方改革実現会議民間議員、相模女子大学客員教授)

白河桃子

白河桃子

ジャーナリスト、相模女子大学大学院特任教授、昭和女子大学 客員教授、東京大学大学院情報学環客員研究員。
東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒、中央大学ビジネススクールMBA取得。住友商事などを経て執筆活動に入る。内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員などを務める。著書に『働かないおじさんが御社をダメにする ミドル人材活躍のための処方箋』(PHP 新書)など25冊以上がある。
白河桃子のプロフィール(相模女子大学の公式サイトより)

Twitter:@shirakawatouko

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