契約段階での管理会社の見極めが重要に

 こういう場合、住民はどのように対応するのが正解なのだろうか。アパート2棟を所有するオーナーの鎌田恵介さんは、こう話す。

「基本的に、入居者のトラブルは管理会社が対応するようになっています。個人的には、家を借りる段階で、管理会社、そして担当者が信頼できる人物かそうでないかを見極めることが最重要ポイントだと思っています」(鎌田さん)

 管理会社の対応は『注意喚起のポスターを貼る』『電話で連絡する』『一軒一軒回って直接住人に呼びかける』などケースバイケースで、明確な規定があるわけではないという。布川さんの場合は、担当者がとりあえず動いてくれたものの、効果がなかったケースといえるだろう。

「私が所有する物件の管理会社は知人の紹介だったので安心してお任せしていますが、この業界にいると、評判の悪い管理会社の噂も耳に入ってくるのは事実です。そこは借り手側にはわからないことなので、個々の担当者の対応ぶりなど、自分に合うか合わないかで判断するしか方法はありません」(同)

 とはいえ、布川さんのように当事者間ですでにトラブルが発生している場合は、管理会社だけでなく大家が仲介に入るケースもあるという。

「あくまで私のやり方ですが、その場合はまずお互いの言い分を聞きます。しっかりヒアリングした上で、『○時以降は物音に気をつける』などの取り決めをし、『それでも改善しなかった場合は退去してもらう』と通告します。実際に退去させるとなると、また難しいのですが、約束することが効果的なんです」(同)

 トラブルが原因で退去することになっても、管理会社や大家に不手際がない限りは引っ越し費用を負担することはまずない。ただし、「人気物件なら、費用を負担しても早く出ていってもらうこともあるかもしれない」と鎌田さん。

「なぜなら、人気物件ならすぐ次の入居者が決まるからです。トラブルを長引かせるより、退去させてしまったほうがいいケースもあるのです。それもケースバイケースではありますが……」(同)

家賃が高いマンションほどクレームが多い?

 布川さんは鉄筋コンクリートのアパートにもかかわらず、隣人トラブルに巻き込まれている。壁の材質などは、大家側の責任にならないのだろうか。

「壁の材質はピンキリで、同じ鉄筋コンクリートでも高いものもあれば安いものもある。その違いが音漏れに影響することは考えられます。ただし、それが家賃に反映するかというと、そうでもない。家賃には築年数や立地も関係してくるので、『家賃が高い=いい材質の壁を使っている』とは限らないのです」(同)

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