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LINEはもう「LINE」じゃない…ある事業が利益爆増、本当に銀行を超えるかもしれない

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 この状況を説明すると次のようになるだろう。ラインSNS関連のビジネスからなるコア事業は徐々に成熟しつつあると考えられる。同社は新しいコンテンツの開発やマーケティングのために、経営資源を投入している。それがコストの増加となり、コア事業の利益率を低下させている。そのなかで同社の戦略事業は、SNS事業の強みを生かしつつ、ユーザーの支持を集めている。

 ラインの戦略事業は2つの分野からなる。ひとつが、金融理論とIT関連の技術を融合した“フィンテック事業”だ。その一つがモバイル(スマホ)決済だ。加えて、ラインは資産運用や保険、ローンなどの金融ビジネスにも進出している。もう一つの分野がAI(人工知能)を用いたテクノロジー開発だ。スマートスピーカーのLINE Clovaはその一つである。また、トヨタの新型クラウンなどにClovaのテクノロジーが搭載されるなど、利用範囲が拡大している。

成長が期待されるモバイル決済

 ラインの戦略事業の中身を見ると、同社をSNS企業と位置づけることは、もはや適切ではないように感じる。それを以下で説明しよう。

 ラインはSNS事業を通して獲得してきたユーザーに、自動車とネットワークのコネクティビティ(接続性)や新しい金融サービスなどを提供し、さらなる成長を目指している。この点で、ラインはSNSのプラットフォームに、金融などの要素を結合させることを目指している。

 特に、市場参加者が期待しているのが、モバイル決済事業の成長だ。モバイル決済とは、スマートフォンなどを用いてネットワーク上に登録された口座情報を店舗(モノやサービスの供給者)と電子的にやり取りし、資金の決済を成立させることをいう。代金を現金で支払うのとは違う。これにより、消費者にも事業者にも、資金決済に関するコストの低下など、さまざまなメリットが期待される。

 主なモバイル決済の手段は、QRコードあるいはバーコードの読み取り方式、FeliCaなどのNFC(Near Field Communication、近距離無線データ通信)方式、クレジットカードのデジタル処理方式の3つだ。2018年、ラインは、この3つのすべてに対応した“LINE Pay”の拠点を、100万カ所に増やす方針を示した。目標達成のために、ラインはLINE Pay導入店舗向けに、3年間決済手数料を無料にすると発表した。また、7月には“10円ピンポン”キャンペーンが開始された。これは、個人が知人にLINE Payを使って10円送金すると、もれなく商品がもらえるというものだ。こうした取り組みが、LINE Payユーザー増加につながり、成長期待を高めている。

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