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松村太郎「米国発ビジネス&ITレポート」

米国、子どものスマホ中毒対策が社会的課題に…若者にとって唯一頼れるデバイスに

文=松村太郎/ITジャーナリスト
米国、子どものスマホ中毒対策が社会的課題に…若者にとって唯一頼れるデバイスにの画像1「Gettyimages」より

 2018年のシリコンバレーは、子どもとテクノロジー、大人のデジタルデトックスといったテーマがトレンドとなっている。もともと議論されてきたテーマであったが、1月にAppleが主要株主から、子どものスマホ中毒の問題に取り組むべきだとする公開書簡が出された。結果的には、Google、Appleがこの要望に応じて対策を取り始めたが、年初の提案は今年のテクノロジーのトレンドにスマホ中毒対策を取り入れる上で非常に有効だった、と振り返ることができる。

 AppleもGoogleも、スマホを利用している人が自分の利用状況を把握し、制限をかけることができる仕組みを用意した。また、Appleはスマホ利用を行うきっかけとなる通知の制限に取り組み、これらの機能を生かして子どものスマートフォンやタブレットの利用を親が管理できる機能を取り入れた。

 株主の公開書簡では、スマホの使いすぎの防止策はAppleのビジネスを毀損しないと指摘していた。たしかにAppleは家族全体でiPhoneを選ぶことで、子どものスマホ利用の管理が行える仕組みとしたことから、個人から「家族」を新たな顧客の単位として明確に認識してマーケティングが行えるようになる。そのメリットは大きいだろう。

 一方、やはり家族をマーケティングの単位として取り入れたいのは携帯電話会社だ。すでに家族で同じキャリアを利用することによるメリットを打ち出してきたが、その付加価値を高めるため、やはり子どものテクノロジー利用の管理機能を取り入れた会社が出てきた。

Family Mode

 T-Mobileは現在、米国で最も注目されている携帯電話会社だ。プリペイド主体で万年4位だったところから、既存の携帯電話ビジネスをぶち壊すことをコンセプトとした「Uncarrier」戦略が顧客に受け入れられ、Sprintを追い抜き米国第3位に躍り出た。4位に追いやったSprintと合併し、5G時代のリーダーになろうとしていることはすでにお伝えしたとおりだ。

 そのT-Mobileは、新たに「Family Mode」というサービスを導入した。アプリとして導入され、親のデバイスから子どものデバイスを管理したり、テレビやセットトップボックスなどに管理を加えることで、家の中でのテクノロジーやコンテンツとの接触時間を制限することができる仕組みだ。

 これに合わせて、テレビなどの時間を管理するためのHome Baseといわれるデバイスも用意し、家のネットワークに組み込むことによって、家族内でのルールを守る仕組みを構築することができるようになった。Family Modeは月額10ドル、Home Baseは期間限定で20ドルだ。

松村太郎/ITジャーナリスト

松村太郎/ITジャーナリスト

慶應義塾大学政策・メディア研究科卒業後、ジャーナリストとして独立。テクノロジーとライフスタイルの関係を追いかける。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、テクノロジーの震源地であるサンフランシスコ・シリコンバレーを現地で取材した。
学校法人信学会 コードアカデミー高等学校

Twitter:@taromatsumura

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