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AI時代到来、個人の力が強まる時代に企業が果たすべき役割とは?

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※画像:『AI時代に輝く経営の教科書』(ダイヤモンド社刊)

 テクノロジーの発達によって、ビジネスの形は大きく変わりつつある。

 例えば、個人でビジネスを成功させやすくなったという点。エンタメ分野やファッション、家電に至るまで、何でも個人のパワーでつくれる時代になった。また、AI(人工知能)とロボットの能力の拡大は人間の労働量を劇的に減らす期待が持たれている。

 しかし、その一方で問われるものもある。こうしたビジネスの可能性が広がる中で、「大勢の人間が集まって企業を形成し、ビジネスを行う理由は何か」ということだ。

 「そんなにすぐ時代の変化は起きないよ」と考えている経営者がいるならば、それは危険な発想だろう。テクノロジーは常に進化し続けていて、いつその波が自分の会社を覆い尽くすか分からない。

■AI時代、個人の時代に「企業」が果たす役割とは?

 企業支援の現場に立ち続け、数々の企業でイノベーションを起こす手助けをしてきた吉村慎吾氏の『AI時代に輝く経営の教科書』(ダイヤモンド社刊)は、まさに現代の変化の凄まじいスピードに戸惑う経営者に向けて書かれた一冊だ。

 吉村氏は「個人有利の時代に大人数で企業をやるメリットとは?」という質問に対して、「イノベーション」だと答える。

 ただ、ひとえに「イノベーション」といっても、その実体がつかめない人も多いだろう。本書ではそんな疑問に対して実例を扱いながら丁寧に説明をしている。

 まず、ピックアップしたいのは、「イノベーション」は「発明」ではないということだ。奇想天外な発想が求められると思われがちな「イノベーション」だが、その正体は「生産要素同士の今までない組み合わせの創出」である。

 例えば、江戸時代の呉服屋「越後屋」は、客の家を訪問して掛け売りするのが基本形態だった呉服商のビジネスに、店舗を構えて「展示即売」「現金掛け値なし」を導入し、革命的価値をもたらして大成功を収めた。それだけではない。商材を拡大し、店舗を多層化し顧客を広げ、「三越」百貨店へとイノベーションし、発展を続けていったのだ。

 他にも事例はある。「馬車」と「エンジン」を組み合わせれば「自動車」に、「チキンラーメン」と「丼」を組み合わせれば「カップヌードル」になる。

 こうした異なる要素の組み合わせを、個人で発想するのは実は難しい。材料となる良質なアウトプットは数が多ければ多いほど有利だ。だからこそ個人よりも企業のほうが「イノベーション」に近づくことができるのだ。

■イノベーションに必要なことは「勇気」と「成功まで続ける」ことである

 吉村氏はコンサルタントとして数多くの会社に関わってきたが、そうした多くの企業の過去の新規事業の開発ヒストリーを振り返ると、驚くほどに多くの有望なプロジェクトが志半ばで終了していると述べる。

 続けていたら、iPhoneよりも先にスマートフォンを世に出せたかもしれない。そんなプロジェクトもある。

 イノベーションの成功させる秘訣は「成功まで続ける」ことと断言する吉村氏。その覚悟がなければ始めないほうが良いのだ。

 吉村氏は、創業100年のほとんど破綻状態の老舗ホテルの経営再建するために、どのように社風を変えていったかをまとめている。

 全社員に向けての社員集会での財務状況の説明、ミッションの共有から始まり、従業員それぞれが“勝利”を目指すため、自分でアイデアをひねり出すようになった仕事の「ゲーム化」、さらにはイノベーションカルチャーの定着へ。企業に変化をもたらすことは並大抵ではない努力が必要だが、吉村氏が「勇気」を持って踏み出し、成功に導いた様子がよく見えてくる。

 AI時代においても、人間しかもたらすことができない価値は数多くある。経営者はイノベーションを起こすために、ミッションを掲げ、自らが勇気を持ってその一歩を踏み出し、成功するまで挑戦し続ける姿勢が必要なのだ。

 現状維持は衰退を意味する。経営者として今何をするべきか、それが見えてくる一冊である。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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