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BMW、汚れたブランド…走行中の炎上事故多発、欠陥隠蔽の疑いで警察が捜査:韓国で

文=河村靖史/ジャーナリスト
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 BMWはもともと「上司の命令は絶対」で、「失敗の責任は他者に押し付ける」のが当たり前という、自動車業界でも官僚的な組織として有名で、「(本社のある)ミュンヘンのゲシュタポ」と揶揄されるほどだ。このため「韓国だけで火災が相次いでいるなら、原因は韓国特有の問題があり、BMWの責任ではないと考えるのは当然」(自動車ジャーナリスト)というわけだ。

 韓国世論のBMW批判の高まりを見てか、警察当局はBMW車に不正なソフトが搭載されていなかったかや、BMWが欠陥を把握していながら隠蔽していた疑いがあるとして捜査を開始したという。独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス不正問題を機に、独検察当局は今年3月、ディーゼル車に不正なソフトを搭載していた疑いがあるとしてBMWの本社を捜索している。

 VWと同様、排ガス試験時だけ有害物質の排出量を低減する不正なソフトを搭載していた疑いが持たれており、BMWは当局の動きを察知したのか、今年2月に「5シリーズ」や「7シリーズ」のディーゼル車を対象に、排ガス量を制御するソフトのプログラムに不具合が見つかったとしてリコールの実施を発表。ただ、不正なソフトの搭載については真っ向から否定している。今回の韓国で相次いだ火災とソフトの関係は不明だが、当局から疑いの目を向けられるのは仕方がない側面もある。

日本でもBMW車以外の火災事故は発生

 BMW車の火災が大きくクローズアップされているが、日本でも自動車の欠陥が原因による火災は決して少なくない件数で発生している。消防庁の調査によると、製品の欠陥が原因の火災は13年に34件も発生、その後は減少してきたとはいえ17年に22件も発生している。さらに、製品の不具合が原因だった可能性のある自動車の火災も、13年には242件発生し、15年には150件に一旦減少したが、16年に196件、そして17年に192件発生している。

 ちなみに17年の欠陥が原因で火災が発生した22件は、ホンダの「バモス」「フィット」、アルファロメオの「スパイダー」、スバルの「レヴォーグ」などで、17年に限るとBMWは含まれていないが、今後を懸念する声がある。

 BMWは韓国に続いて欧州でも約32万台のBMW車のリコールを公表した。これに対して日本法人ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は韓国でリコール対象となったモデルを輸入・販売しているものの「BMW本社の指示にもよるが、現段階でリコールの予定はない」(広報部)としており、対応がチグハグだ。今後、日本国内を走行するBMW車に対して厳しい目が注がれそうだ。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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