東京23区、首都直下地震時に「危ない区」リスト…死者発生率・建物全壊・停電・断水


――下町のほうが危険なイメージがありますが、安心度は高いということですね。

池田 逆に、安全度は高いものの安心度に疑問符が付くのが都心のタワーマンションです。都心3区(中央区、千代田区、港区)では、マンションなどで6階以上に住んでいる世帯が非常に多い。23区平均では16%ですが、中央区57%、千代田区51%、港区44%となっています。都心の高層マンションは築年数が新しく耐震性に優れているものが多いので、建物自体は安全でしょう。しかし、災害時にはさまざまなリスクが発生します。

 東京都が想定する大震災時のエレベーター停止被害台数は約7000台ですが、その3割にあたる約2000台が都心3区に集中しています。マンションのエレベーターに閉じ込められる可能性があり、この多さでは救助にも相当な時間を要するでしょう。

 また、後述するように、停電や断水などライフラインの途絶は、都心居住者の生活を直撃します。停電でエレベーターが停まってしまい、水が流れなければトイレにも行けない。最悪の場合、マンションの中高層階に住む人たちは、用を足すために十数階の階段を上り下りしたり、重い水を担ぎ上げたりしなくてはならなくなります。

死者発生リスクが高い墨田、台東、荒川、品川

――首都直下地震が発生した場合、東京23区で特に大きな被害が予想される地域はどこでしょうか。

池田 東京都の「首都直下地震等による東京の被害想定」は、もっとも被害が大きくなる「強い風が吹く冬の18時」に「東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3の地震が起きた」というケースのシミュレーションを行っています。この条件下では、火災の被害が大きくなります。

 建物被害から見ると、建物全壊率(区内の総建物棟数に対する全壊建物棟数の割合)は、荒川区(18.7%)、墨田区(17.1%)、江東区(15.4%)が上位3区です。これは、地盤が軟弱な上に、古い小さな木造の建物が密集しているところが多いからです。建物焼失率(同様に焼失建物棟数の割合)は品川区(28.3%)、大田区(22.3%)、杉並区(18.7%)が上位3区で、品川区や大田区などの環七沿いには「業火ベルト」と呼ばれる火災の危険地帯が連なっています。この2つを踏まえて導き出された建物滅失率は、品川区(33.3%)、墨田区(30.5%)、荒川区(30.4%)の順に高くなっています。

 次に人的被害ですが、死者発生密度(人/平方キロメートル)が高いのは、墨田区(48.4)、台東区(47.8)、荒川区(41.4)です。人口に対する死者の発生率は、千代田区(57.9%)、台東区(27.4%)、墨田区(26.9%)となっていますが、千代田区が突出して高いのは、人口が少ないからです。相対的に見て、墨田区、台東区、荒川区、品川区あたりは死者発生リスクが高いといえるでしょう。

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