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女性医師の生涯未婚率35.9%、休職の主要因は自分の病気…女性医師を破壊する医療現場の闇

取材・文=小野貴史/経済ジャーナリスト
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――非常勤医師の報酬はどのぐらいですか。

細井 非常勤の報酬は時給1万円から1万2000~3000円が相場なので、1日8時間で週3日働けば週に24万円、月に96万円になります。他の職業では考えられない金額です。大学病院の常勤医師なら週5日・当直1回で月給40万円程度なので、非常勤を選択するというのはある意味で理にかなっています。医師のキャリアは医局のなかで長く働いていくことで、ポストが上がっていきます。常勤が割りに合わなくても多くの医師が辞めずに続けているのは、そういった理由もあるのです。

女性医師の抑制が議論の的に

――東京医大が意図した女性医師の抑制策は、医療界が医師の男女比を世間に問いかける契機になったのではないでしょうか。

細井 医療現場の労働改革を促す大きな契機になったと思います。今、学生として入学した学生が本格的に医師として稼働するのは10~15年後ですから、現在直近でこの医師不足を解決する方法としてあげられているのは、離職している女性医師に復帰してもらうことです。

 大学側は、女性医師が実際どれくらい15年後に働いているか、20年後に働いているかの統計データを持っています。それに基づいて、将来的に必要と予想される医療労働人口を推定し、そこから男女比の調整を図ったのではないかと考えています。医療資源の最適なバランスを考えたまでであり、男女差別をしようとしていたわけではないということです。というか職業の向き不向きを男女差別と呼ぶのであれば、助産師さんは女性しかなれませんが、それは男子差別ということになってしまいますよね。

――総務省が12年に実施した就業構造基本調査から算出されたデータによれば、男性医師の生涯未婚率は2.8%で、女性医師は35.9%となっています。

細井 医師の間でよく言われるのは、女医は「3分の1が結婚して幸せになる」「3分の1が結婚して離婚する」「3分の1が1回も結婚しない」という「女性医師の3分の1の法則」です。日本ではシッターさんに抵抗を持つ家庭が多いだけでなく、お金もかかりますし、保育園もなかなか見つからない場合もあります。国は能力の高い女性が存分に働けるように、子育てを支援していくことが大事です。女性医師を含めた優秀な女性が、どんどん働くことで、医師不足も解消されますし、彼女らが稼ぐことに伴い、税収も増えます。

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