凋落のしまむら、品揃えの魅力「宝探し感」消失で客数減、ECを起爆剤に再成長狙う


 多品種の少量販売という従来のスタイルから脱却し、PB商品に注力するという戦略の切り替えが、裏目に出てしまったということか。

 しまむらのPB商品は「CLOSSHI(クロッシー)」と名づけられており、代表商品には「裏地あったかパンツ」や「素肌涼やかデニム&パンツ」が挙げられるが、松下氏いわく、CLOSSHIの果たす役割についても議論の余地があるらしい。

ユニクロは、絞り込まれた一つひとつの商品を毎年アップデートしているため、品質はどんどん向上しています。デザイン面でも、なるべく多くの人に合うようなシルエットやパターンを採用しており、そのなかに少しだけトレンドを取り入れるというやり方で、ブラッシュアップに成功しているといえるでしょう。

 ですが、しまむらのCLOSSHIの場合はCLOSSHI PREMIAM、CLOSSHI、CLOSSHI VALUEと主に3つのラインがあり、機能性やトレンド、価格など各々訴求ポイントが異なります。けれども、それらがごちゃ混ぜになっていますし、ブランド名を冠しているのにブランディングができていないという根本的な問題は否定できません。過去に売れたものの後追いが多く、ベーシックながらも目新しさが足りないという面も否めません。

 また、しまむらはユニクロのように著名デザイナーとコラボレーションすることはないものの、コンバースや渋谷109系などのNB(ナショナルブランド)商品をしまむら専用につくってもらう、あるいはライセンスでつくるというNPB(ナショナル・プライベートブランド)という取り組みを、ここ最近はわりと強化しています。しかしブランドの名前がついた分、値段も上がっていますので、それが付加価値としてお客に受け入れられているかどうかは、少し疑問です」(同)

物流力を生かしたECに勝機はあるが、グローバル化には別の障壁も

 松下氏は引き続き、しまむらの置かれた厳しい立場を分析する。

「昔、それこそギャル系のブランドが流行っていた頃のしまむらは、渋谷の109にも匹敵するスピード感で、トレンド商品を数多く取り揃えていました。それをいかに安く手に入れ、自分らしく可愛く着こなせるかを“しまラー”の方々は追求しており、主婦の間でも、しまむらをフル活用できる人こそが賢い消費者だということで、もてはやされていたような気がします。

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