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第2のスルガ銀行問題か…西京銀行の不祥事体質、TATERUの顧客向け融資独占

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西京銀行本店(「Wikipedia」より)

 東証1部上場の不動産会社TATERUが、アパートに投資する顧客から受け取った預金残高など融資に必要な資料を改竄していたことが判明した。23万円の預金残高が623万円に水増しされていた。

 TATERUは不正を認め、「ほかに同様の改竄がないか調査していく」と発表した。詳細は不明だが、TATERUの顧客の融資の申し込みを一手に引き受けていたのが西京銀行だったとされている。TATERUが申請した融資がすべて実行されたわけではないようだが、西京銀行はTATERUの準メイン行となっている。TATERUは新興のアパートデベロッパーである。

 TATERUは9月4日、従業員が投資用不動産向けの融資審査を通りやすくするため顧客の銀行口座の残高を改竄していた問題で、特別調査委員会を設置すると発表した。改竄の経緯や企業風土などについて調査する。調査委は弁護士とTATERUの社外取締役で構成し、3カ月をメドに結果を報告する予定だ。

 西京銀行は山口県周南市に本店がある第二地銀で、店舗数は43、貸出金は1兆1038億円(3月31日現在)。平岡英雄頭取は「脱・銀行」を標榜している。「銀行はサービス業」としている。スルガ銀行のオーナー、岡野光喜会長兼CEOの発言と同じだ。スルガ銀行は、創業家の関連企業に500億円を融資していたことが金融庁の立ち入り検査で明らかになった。金融庁は、不透明な情実融資がなかったか調べているが「数十億円があやしい」(関係者)とされる。9月7日に第三者委員会の調査報告書が公表されるが、ここで情実融資の実態が明らかになるのか、注目される。

 TATERUの株価は9月3日、前週末比400円安(ストップ安)の1206円まで下げた。4日は1000万株を超える売り物が殺到、300円安(連続ストップ安)の906円まで下落。5日も150円安(ストップ安)で756円。連日、年初来安値を更新し、3日間で株価は半分になった。TATERUが大株主で、東証マザーズに上場したばかりのGATECHは4日、1240円安の7800円。安値は7610円(1430円安)。9月30日を基準日として1対2の株式分割を実施すると発表したことで、株価は8月2日に1万2640円まで急騰していただけに、下げはきついだろう。9月5日は1080円安の6720円で、一時、6660円まで下げた。高値からは47%安という大暴落だ。

西京銀行の構造的問題点

 発覚したTATERUの資料改竄は氷山の一角なのか。スルガ銀行の例を見てもわかるように、こうした不正の背後には必ず構造的な問題が横たわる。

 非上場の西京銀行は、首都圏への積極的な進出やインターネット銀行構想、邦銀初の女性副頭取を置くなど女性の起業や社会進出を支援する姿勢を前面に押し出し、知名度が全国区となった時期がある。

 ただ、その後、インターネット銀行構想の挫折に加え、2000年から05年にかけて発覚した、行員による不祥事4件を金融庁に報告していなかった。4件は、いずれも行員による着服だ。金融庁には届けずに処理し、被害額はすでに弁済されたという。財務省中国財務局へ3件の内部告発があり、さらに内部調査で1件が発覚した。これを受けて、中国財務局は06年5月26日、西京銀行に対し内部管理体制の立て直しなどを求める業務改善命令を出した。

 日本銀行出身の大橋光博頭取(当時)は「これまで進めてきた改革が、内部の抵抗で十分に受け入れられず、それが内部告発につながった」と主張。東京戦略や女性の積極登用(東京戦略の中心で、邦銀初の女性副頭取だった銭谷美幸副頭取を指す。当時、次期頭取の有力候補と見られていた)に対する反発や、ライブドアとのインターネット銀行の設立構想が受け入れられなかったことなどを原因に挙げた。結局、大橋頭取は不祥事の責任を取るかたちで、06年6月末付で辞任。銭谷副頭取も退任した。頭取は“ワンポイントリリーフ”の1人をはさんで10年、第7代頭取として平岡英雄氏が登板した。

 05年1月24日、ライブドアと提携してインターネット専業銀行「西京ライブドア銀行」を設立することを明らかにした。すでに証券業進出を果たしているライブドアは、金融事業の強化を目指しており、銀行業の免許取得次第、05年内にも営業開始をしたいとしていた。

 だが06年1月23日、ライブドアの堀江貴文社長、宮内亮治取締役などが証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)容疑で逮捕され、2月13日に4人の容疑者とライブドアなど2法人が同法違反で起訴された。これにより「西京ライブドア銀行」計画は中止に追い込まれた。
(文=有森隆/ジャーナリスト)

【追記】
●TATERUの株価は3分の1に。GATECHは下げ止まる

 9月6日の東京株式市場でTATERUの株価は一時、467円(289円安)と再び年初来安値を更新したが、終値は533円(223円安)。4営業日の間に株価は3分の1以下に暴落した。

 TATERUは投機好きの個人投資家だけでなく、小型株ファンドの組み入れが多い銘柄だ。問題発覚で、株価に関係なく、売らざるを得なくなった機関投資家がいたわけだ。株価が小康状態になれば、小型株ファンドの売りがさらに増えることが予想される。

 一方、TATERUが大株主のGATECHは7030円(310円高)で下げ止まった。TATERUが売り気配による比例配分ではなく、売買が完全に成立したためだ。

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