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塚原夫妻・宮川紗江・速見コーチ、全員が傷を負う泥沼化…東京五輪の暗澹たる「歪み」

文=生島淳/ スポーツライター
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 体操界全体を見渡せば、男子では内村航平というエースが存在し、白井健三らの大学生世代も着実に力をつけている(高校生が手薄と指摘する関係者はいる)。また、女子も村上茉愛をはじめとして、世界との差を着実に縮めている。

 しかし、女子体操界は今回の騒動で大きなダメージを受けた。それでも関係者のひとりは言う。

「これまでの『悪循環』を断ち切るために、必要なことと思うしかない」

 10月にはドーハでの世界選手権も待っているが、果たして影響が出るだろうか。今後は第三者委員会の報告を待って、塚原夫妻にも処分が下されるだろう。

 最終的には、誰も勝者がいない戦いにならざるを得ないだろうが、根底にあるのは、やはり「東京オリンピック」の存在だと思う。塚原夫妻による引き抜き工作が事実だとするなら、朝日生命体操クラブ所属選手からオリンピック代表選手を出したいという欲があったはずだ。

 また、宮川選手も、東京オリンピックを目指すなら、自分をずっと指導してきた速見コーチと一緒でなければ考えられないと思ったからこそ、会見で塚原夫妻のパワハラを告発した。ただし、速見コーチの暴力を容認するかたちとなり、ここでも浅くはない傷を背負うことになった。

 地元開催のオリンピックに出場することは、すべての関係者の願いだ。しかし、それが歪みを生んでいるように思えてならない。歪みは女子体操界だけではなく、カヌーではライバルのドリンクに、禁止薬物を混入させた問題があった。

 東京オリンピックには、早くも影がつきまとっている。
(文=生島淳/ スポーツライター)

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