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安倍政権、携帯会社に料金値下げ要請で消費増税への批判回避狙う…「儲け過ぎ」批判を利用

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 ソフトバンクグループの18年3月期の連結決算(国際会計基準)の国内通信事業の売上高は3兆2298億円、営業利益は6829億円。連結売上高(9兆1587億円)の35%、連結営業利益(1兆3038億円)の52%だ。

 NTTドコモの18年3月期の連結決算(米国会計基準)の国内通信事業の売上高に当たる営業収益は3兆8984億円、営業利益は8328億円。連結営業収益(4兆7694億円)の81%、営業利益(9732億円)の85%を占める。ドコモは個人向けの比率は開示していないため単純比較はできないが、法人契約や長期契約が多いとみられており、料金引き下げの影響はKDDIに比べ限定的とみられている。

 本業の儲けを示す営業利益率(売上高に対する営業利益の割合)は東証1部(3月期)平均が7.6%(みずほ証券調べ)。トヨタ自動車は8.2%だった。

 携帯3社の国内携帯事業の営業利益率はNTTドコモが21.3%、ソフトバンクが21.1%、KKDIが18.8%で、東証1部平均の2~3倍に相当する。

 営業利益率15%以上は「エクセレントカンパニー」と呼ばれている。携帯3社は“超”がつく高収益企業だ。通信料金が家計の重荷になる一方、携帯3社が破格の利益を享受していることから、「儲けすぎ」という批判は根強い。

 菅氏の発言は唐突といえるが、19年10月の消費税増税を控え、政府主導で家計負担の軽減を図る狙いがあることは間違いない。家計支出に占める通信費の割合は、この10年で2割も上昇。その大部分がスマホの普及による携帯料金とみられる。菅氏は会見で「国民の財産である公共の電波を利用している。過度な利益を上げるべきではなく、利益を利用者に還元すべきだ」と指摘した。携帯料金の引き下げでポイントを稼ぎたいとの思いが政府にはある。

 しかし、携帯大手3社は民間企業であり、株式を上場している。政府主導で料金が4割も下げられれば株主は黙っていないだろう。携帯電話の値引きを続けたうえで料金が4割下がると、携帯各社の営業利益は「ほぼゼロになる」と試算する外資系証券会社もあるくらいだ。

 ソフトバンクは8月29日、スマートフォンの端末を値引きしない代わりに、通信料金を最大2~3割値下げする新料金プランを9月6日から導入すると発表した。auとドコモも昨年から同様のプランを導入しており、大手3社の足並みが揃った。

 携帯3社は高額なスマホ代金を通信料金に組み込むことで販売しやすくしてきたが、「料金体系が複雑でわかりづらい」との批判は根強かった。

 今後は、高額な端末は値引きしないが通信料金は下げる。こうすれば、見た目上は値下げしたように映る。これが、携帯大手は出血が少なくて済み、大幅な値下げを求める政府の顔も立つ方法というわけだ。

 菅氏の発言によって、携帯端末と通信料金の分離が加速することになるとみられる。
(文=編集部)

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