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『おじゃる丸』声優・小西寛子氏が激白、私がNHKに声を無断使用され、告訴に至るまでの全容

文=深笛義也/ライター
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おじゃる丸降板後、ほかの仕事も急減

 小西氏の、おじゃる丸から突然の降板を惜しむ声はアニメファンの間に広がった。小西氏といえば、おじゃる丸以外にも、『逮捕しちゃうぞ』(TBS系ほか)の中嶋瀬奈、『ドクタースランプ』(フジテレビ系)の木緑あかね、『浦安鉄筋家族』(TBS系)の菊池あかね、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(TBS系)の北原ともえ(モエモエ)、『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』(テレビ朝日系)の西野かおり(ぽぷり)、『デジモンアドベンチャー』(フジテレビ系ほか)の高石タケルなどをはじめとして、テレビアニメ、劇場アニメ、ゲームなどで重要な役を演じてきた声優である。

 おじゃる丸降板以降、小西氏にはほかの声優の仕事もなくなっていった。ちなみに、どのアニメ制作会社も、NHKとは大きな関わりを持っているということを指摘しておきたい。

 今年6月1日、小西氏は音声無断流用について、自身のツイッターで情報を発信した。18年前の出来事を今になって明らかにした理由を、小西氏はこう説明する。

「会社の経費を横領したNHK放送センター内で働く関連会社の社員が、その穴埋めをするために、私の関係する会社に金品を要求してきたんです。要求には応じず、NHKには書面で抗議しました。その社員は解雇されましたが、この事実に関する広報もなく、謝罪もありませんでした。その時の脅し文句が、『金品要求に応じなければ仕事から外す』というもので、18年前とまるで同じだったんです。『いまだに、昔と同じように弱いものいじめをしているのか、いい加減にしてくれ』という憤りで発信したんです」

 これは大きく報道され、和田政宗参院議員がツイートで反応するなど、一気にインターネット上に広がった。そして「これも小西さんの声ではないですか?」といった知らせが届いた。小西氏の声が使われていたのは、人形だけでなく目覚まし時計、壁掛け時計、キーホルダー、ゲーム、三輪車など、多くの製品があったのだ。

 小西氏は、その驚きをこう語る。

「『人形のほかにもあるんじゃないか』くらいに思っていたら、あまりにもたくさんあるのでビックリしました。放送の音声を流用したのか、何かの時に一緒に録ってそれを使っているのか、当時説明も何もなかったので、まったくわからないんです。ただ、私の声であることは確かです」

 筆者はおじゃる丸映画関係や他の出演における当時の契約書等を確認させてもらったが、こちらの内容は普通に業界で「ワンチャンス主義」と呼ばれるもので「作品を映画DVDへ1回製品化することまでは含まれ、その他商品にするなどの流用については別契約になる」という内容であった。しかしながら、当然、今回問題となった番組音声については関連商品への音声流用などは、もちろん契約には含まれていない。

 本人の許諾なく音声を製品に使用することは、著作権法第119条に定められた著作隣接権を侵害したことになる。実演家著作隣接権センターは、著作隣接権について以下のように説明している。

「音楽や映画、小説などの著作物は、たくさんの人々に視聴され、楽しまれることで、初めて文化的・社会的価値が生まれます。そのため、著作物をつくった人だけでなく、著作物を広く一般に届けている実演家等にも、著作権法は著作隣接権という経済的な利益を守る権利(財産権)を与えています。また、歌唱や演奏、演技などの実演には、その実演家の個性が反映され、表現の仕方等にもクリエイティビティが発揮されています。そのため、財産権だけでなく、精神的利益を守る実演家人格権が与えられています」

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