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年間300回以上の講演家が明かす、あがり症を克服する秘訣(3)

講演のプロが実践する「人前での話し方」<準備編>

構成=編集部
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決断させる「クロージングトーク」を決める

――プレゼンの設計で、ほかにもやっておくことはありますか?

鴨頭 クロージングトークを考えることです。企画を通したいのであれば、「A or B」でクロージングします。たとえば、こんな感じです。

「部長、この企画を今回のタイミングで行えば、売り上げ目標はこの半期で達成され、この部署の評価も上がるでしょう。しかし、このタイミングでこの商品を販売しなければ、今のトレンドからすると売り上げは目標に対しては5%マイナスになり、部署の評価も下がるでしょう。どちらを選ばれますか?」

 このように選択を決裁者に提示すると、決裁者もその時点で判断することになります。多くの人は「これをやりたいんです」という提示でクロージングをしてしまうのですが、そうすると、リスクや不安要素についての追及が止まりません。

「A or B」で選択を提示すると、決裁者に言えることはイエスかノーだけになります。また、このクロージングであれば、企画を採用しない場合の機会損失を示すことができるし、判断の責任を明確に決裁者に渡すことができる、ということもポイントです。

どう切り込まれても言いよどまない「原稿」をつくる

――プレゼンの設計をしたら、しゃべる内容をまとめた原稿もつくりますか?

鴨頭 企画を通すのであれば、資料としての原稿はつくります。そのとき、相手に渡す資料と自分の手持ちの資料は量を変えます。決裁者に渡す原稿の理想はA4の用紙1枚。手持ちの資料は、その10倍は必要です。

 決裁者に渡すA4の資料には、決裁者が気にするポイントを重点的に盛り込んでおきます。そして、手持ちの原稿は決裁者以外のプレゼン参加者の抵抗を想定した資料です。たとえば、「コストはどうなっている?」「競合他社は?」と突っ込まれたときに、即座に「こうなっています」と言えるだけの用意をします。

 この資料は、そうした抵抗がなければ自分から出す必要はありません。出してしまうと、決裁者が気に留めていなかったはずの情報を与えることになり、それによって判断がブレてくる可能性があるからです。

 つまり、A4の資料はあくまで決裁者をターゲットにして絞り込んでつくり、逆に、手持ちの資料は絞り込まず、どんな抵抗があっても即座に対応できるよう幅をもってつくり込んでおくのです。

 もちろん、これらはプレゼンに参加している決裁者や抵抗が予想されるほかの同席者の性格や好みによって、その内容も変わってくるでしょう。原稿は、手持ちのものからつくり、その後に決裁者用のものをつくるほうが、順番的にはつくりやすいと思います。

 資料としての原稿は、決裁者が「これでいこう」という空気をつくるためのものです。その空気づくりができているかいないかで、いざ話し出してからの成否の確率は格段に変わってきます。

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