【証言3】

 金融庁は当初、大物の経営者を招く構想だったといわれるが、引き受け手がなかった。引き受けても、いつまで経営に積極的に関与できるかわからないのだから。佐々木弘氏は旧日本長期信用銀行出身。ニューヨーク支店次長や米州部長、国際業務部長を歴任。長銀が新生銀行になってからは新生銀行金融開発部長、新生証券の社長を務めた。東大法学部卒。この人事も金融庁のお墨付きなのだろう。

【証言4】

 創業家(岡野家)はスルガ銀行の株式を15%以上保有している大株主。今後、岡野氏が経営に影響を及ぼす可能性について、有國新社長は記者会見で「それは会長が考えることだ」と言葉を濁した。妥協の産物の有國社長で大丈夫なのだろうか。2019年3月期決算までの短期政権との見方も台頭している。

【証言5】

 不正融資が立件されれば、背任罪になる。経営幹部の関与が立証されれば特別背任罪に問われる。シェアハウスなどの販売会社が物件の販売価格を市場価格よりも割高に認定し、それをスルガ銀の複数の行員が把握した上で融資したケースも多い。販売会社の営業担当者と行員が結託して不当に高い不動産を買わせていたとすると、詐欺罪に抵触する恐れがある。創業家の関連企業の500億円規模の融資の妥当性も焦点となる。この場合は特別背任だ。暴走融資をトップが放置(容認)していたことの法的責任も問われよう。

 ニュースリリースでは「経営責任の追及及び不正に関与した従業員の処分について」として次のように言及している。

<今回の一連の事案の責任を明確にするため、本年6月の定時株主総会において新たに選任された社外監査役である行方洋一および野下えみを中心とする「取締役等責任調査委員会」を設置することを決定しました。「取締役等責任調査委員会」は、既に当社を退任した取締役、執行役員を含めた法的責任の有無を判断し、しかるべき措置をとる所存です。

また監査役の責任については、本日開催の取締役会決議に基づき「監査役責任調査委員会」を立ち上げ、取締役等と同様に、その法的責任の有無を判断し、しかるべき措置をとる所存です。

なお、不正に関与した従業員については、新経営陣として厳正な処分を実施するべく、すでに外部弁護士チームによるヒアリング等の手続を進めております>

(文=有森隆/ジャーナリスト)

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