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富士通、個人向け事業「完全消滅」の真相

文=編集部
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 その結果、商社系と量販店系へ集約された。端末の半分近くが、量販店の販売チャネルで売られている。一方、商社系はメーカー系代理店の受け皿となり、キャリアショップの一大勢力にのし上がってきた。

【主な携帯電話販売代理店の売上高】
※以下、企業名:売上高(18年3月期実績)、主な株主

・ティーガイア:5527億円、住友商事(29.52%)
・光通信:4275億円、光パワー(42.74%)
・コネクシオ:2648億円、伊藤忠商事(60.34%)
・兼松コミュニケーションズ:2392億円、兼松(100%)
・富士通パーソナルズ:1296億円、富士通(100%)

 業界首位のティーガイアは、ドコモショップとauショップが主体。08年にテレパーク(三井物産系)とエム・エス・コミュニケーションズ(三菱商事系と住友商事の合弁)が合併した。もともとテレパークは三洋電機系のテレコム三洋、エム・エス社は日産自動車系のカルソニックコミュニケーションズで、どちらもメーカー系の代理店だった。

 ティーガイアは、16年に三菱商事が持ち株を売り出した際にこれを引き受け、ティーガイア自身の持ち株比率は29.52%まで増え、住友商事と同率になった。18年3月期の売上高は5527億円(前期比0.2%増)、営業利益は144億円(同1.3%増)、純利益は101億円(同4.8%増)。

 業界2位は独立系の光通信。ソフトバンク、auショップを展開。光通信は業界再編をにらみ、多くの中小代理店へ出資を続けている。業界最大手のティーガイアに15.09%、業界3位のコネクシオに4.27%出資している。光通信の18年3月期(国際会計基準)の売上高に当たる売上収益は4275億円(同0.3%減)、営業利益は494億円(同19.1%増)、純利益は418億円(同7.2%増)。このうちショップ事業の売り上げは945億円、セグメント利益は131億円だ。携帯電話代理店業界の覇者の座を狙っている。

 コネクシオはドコモショップ主体。伊藤忠商事の子会社で、メーカー系販売代理店を次々と買収してきた。08年に日立モバイルの子会社ITCモバイル、12年にパナソニックテレコムを買収し、13年にアイティーシーネットワークから現社名に変更した。

 コネクシオの18年3月期の売上高は2648億円(同1.9%増)、営業利益は102億円(同2.3%増)、純利益は67億円(同4.2%増)。メーカー系代理店の受け皿になってきたコネクシオは、富士通パーソナルズを買収して、先行するティーガイアを追い上げたいところだろう。

 富士通パーソナルズの有力な“受け皿”候補は、住友商事系のティーガイアと伊藤忠商事系のコネクシオとみられている。ダークホースとして、兼松系の兼松コミュニケーションズが挙げられる。

 16年、三菱電機が携帯電話販売会社、ダイヤモンドテレコムを兼松に売却した折にも、「ドコモの意向を忖度した」(関係者)とささやかれた。ドコモは代理店各社に店舗数を競わせ、特定の1社に大きな発言力を持たせたくないとみられている。

 兼松コミュニケーションズは、ダイヤモンドテレコムを買収した効果で売上高は17年3月期の1296億円から、18年同期は2392億円と1.8倍に増え業界4位に躍り出た。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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