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JR北海道、経営危機で「施設と運行分離」説…災害のたびに復旧しない路線累積

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国交省が400億円の投入を決めたばかり

 JR北海道の17年度決算は、連結営業損益が416億円の赤字。分割民営化時に国から受け取った経営安定基金(7615億円)の運用益は255億円にとどまり、最終的には87億円の最終損益となり、2期連続の赤字となった。

 18年度についても、140億円の最終赤字を見込んでいる。鉄路を維持するための修繕費や除雪費に巨額の費用がかかる一方で、鉄道事業で採算が取れているのは人口が集中する札幌圏のみという状況では、好転は期待できない。新幹線ブームも去ってしまった。

 こうした厳しい経営環境下で、国土交通省は7月下旬、経営支援策として19年度と20年度の2年間で約400億円を投入することを発表。合わせて、JR北海道に対して経営改善に向けた取り組みを着実に進めるよう監督命令を出した。これでなんとか一息ついた格好だが、今後、JR北海道が単独で経営改善を図り、実行していくことが果たして可能だろうか。

 北海道では7空港民営化の動きや、高速道路をはじめとする高規格幹線道路網の整備が着々と進んでいる。鉄道だけが老朽化した設備を抱えたまま、札幌近郊圏以外は輸送密度も下がる一方だ。鉄道運賃収入も1996年度の800億円をピークに減少し、新幹線開業前には600億円台にまで落ち込んでいた。新幹線開業で16年度は727億円(新幹線運賃収入は103億円)まで盛り返したが、17年度は728億円(同79億円)と微増にとどまった。

 注目は国交省・森昌文次官の発言だ。9月10日配信の「文春オンライン」のインタビューのなかで「道路に税金を使って鉄道には使わない。それはおかしいと思いますよ」と税金投入に肯定的な考えを示す一方、線路など施設(下)は国が、運行(上)は民間が行う「上下分離方式」についても「JR北海道にしても『上』の部分は観光列車に特化するとか、あるいはJR北海道に代わる運営母体が使用することだって考えられます」と述べている。

 もはやJR北海道単独にこだわる必要はないだろう。インバウンド急増の時代である。オール北海道で鉄道のあり方を再度協議し、航空・空港をはじめ他の公共交通機関、道路網整備と合わせた交通インフラ全体の将来構想を打ち出す時期ではないだろうか。

 鉄道問題は、命名から150年の節目を迎えた北海道の未来ビジョンの最重要項目のひとつである。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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