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絶賛を浴びていた『義母と娘のブルース』、最終回の意味不明なオチに解釈論争過熱

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『義母と娘のブルース』公式サイトより

 綾瀬はるか主演の連続テレビドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の最終回が18日に放送され、平均視聴率は自己最高の19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。前回からは1.9ポイントのアップで、今期の民放連続ドラマ視聴率1位の数字も更新した。

 このドラマは、バリバリのキャリアウーマンだった岩木亜希子(綾瀬)が子持ちのサラリーマン・宮本良一(竹野内豊)と結婚し、良一の娘・みゆき(横溝菜帆/上白石萌歌)の母として奮闘する物語。もともと余命わずかだった良一は第6話で天に召され、その後は高校生に育ったみゆきと亜希子を中心に物語が展開された。

 最終回の内容を簡単に振り返っておきたい。自身が勤めるパン屋の店主・麦田章(佐藤健)にプロポーズされた亜希子は、丁重にその申し出を断る。亡くなった良一のことがいまだに忘れられず、何よりも現在十分に満たされている、というのがその理由だ。折しも、そんな亜希子にコンサルティング会社からのオファーが舞い込む。ぜひともやってみたいと思う亜希子だったが、勤務地が大阪になると聞いてあっさり断ってしまう。その件をたまたま知ったみゆきは、自分が自立すれば亜希子にやりたいことをさせてあげられるのでは、と考える。そこで、大学受験に落ちたふりをして就職し、一人暮らしを始めることで亜希子を自由にしてあげようとの作戦に出る――という展開だった。

 率直に言って、最終回はそんなにおもしろい出来ではなかった。みゆきの真意を視聴者に明かさぬまま、大学受験にわざと落ち続ける様子を長々と描いたため、かなり間延びしてしまったからだ。話の構成としてこの部分に時間を割く必然性は感じなかったので、余計に退屈に感じた。ネット上に見られる視聴者の反響にも、「期待していただけに最終回は残念」「9話がピークだった」というものが少なくなかった。「高視聴率で続編の可能性が出てきたので、最終回が不自然になったのでは」との考察もある。

 とはいえ、全10回のドラマで、第1話から第9話まで微妙な出来で最終回だけ辻褄が合うありがちな作品と、9話まで楽しませてくれて最終回だけ微妙な作品と、どちらが良いかは明白である。しかも、『ぎぼむす』は最終回の構成こそ微妙だったが、作品を貫くテーマという観点で言えば、しっかりと最後まで一本筋が通っていた。

 亜希子とみゆきは血のつながった母娘ではないものの、互いに信頼し合い、気遣い合いながら10年間暮らしてきた。だが、みゆきは常に「母は自分を育てるために自分のやりたいことを封印してきたのでは」という申しわけなさを心の底に抱えていた。最終回の終盤、亜希子とみゆきは初めて率直な言葉で語り合い、互いの気持ちの純粋さを知る。理想の母親像に迷いのあった亜希子は、自分がすでにそれを実現していたことに気付き、みゆきは亜希子に遠慮を感じる必要がなかったことに気付く。「義母と娘」が正真正銘の「母と娘」になった瞬間だ。今後は支え合いながらも、それぞれの道を歩いてゆく。義母と娘の10年間を描くと当初から予告されていたドラマにおいて、これほどきれいな終わり方はないだろう。

 最後に、ドラマ全体を通して良かった点にいくつか触れておきたい。まず、脚本の構成。登場人物を安易に増やさず、一貫して亜希子とみゆきの関係性を描き続けたのが良かった。途中から見てもわかりやすいというメリットもあり、視聴率上昇の一因になったものと推察される。

 回想を多用しなかったにもかかわらず「良一がいつまでも2人を見守っている」という雰囲気を感じさせてくれたのも見事。良一役の竹野内があまりにも良かったのに、良一が死んでも視聴者の間に「良一ロス」が生じなかったのは、脚本構成の妙としか言いようがない。

 キャスティングも申し分なく、全員当て書きかのようにハマっていた。そのうえ各俳優も生き生きと人間味あふれるキャラクターを演じてくれたため、素直に笑ったり泣いたり感動したりと楽しむことができた。

 なかでも、子役の横溝菜帆から上白石萌歌へのバトンタッチは見事。唇をゆがめ、しかめ面をして考えるクセがそっくりで、上白石の表情に勝手に脳内で横溝の顔がオーバーラップしてくることが何度あったか知れない。演出家の指導だと思うが、これほどまでに子役からの引継ぎを重視したドラマをあまり見たことがないので驚かされた。MISIAが歌う主題歌『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』も毎回いいタイミングで流れ、涙を誘ってくれた。

 最終回のラストシーンは、亜希子が持っていた新幹線のきっぷが「東京発東京行き」という珍妙なものだったというオチ。何を意味しているのかわかりにくいため、続編につながる伏線ではないかと考察する人も多い。蛇足になるのではないかとの危惧もあるが、原作を最大限に生かしてここまで一般受けする作品に仕上げた森下佳子氏なら、納得できる続編を書いてくれそうだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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