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「何かをフルスピードで行う時間」が重要? 脳科学者が教える認知症の基礎とその対策

新刊JP
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「何かをフルスピードで行う時間」が重要? 脳科学者が教える認知症の基礎とその対策の画像1※画像:『認知症の脳もよみがえる 頭の体操』(アチーブメント出版刊)

 絶対に名前を知っているはず芸能人の名前が出てこない。昨日の食事が思い出せない。

 今やがんよりもなりたくない病気と言われる認知症。歳を重ねるにつれて増える物忘れに恐怖や不安を覚えたことがある人は多いはずです。

 認知症は脳の細胞が死んだり、働きが悪くなることで起こる病気。症状は直近の自分の行為の物忘れにはじまり、判断、感情表現、時間の管理などが段階を追って難しくなり、自分の周りの現実がどんどん認識できなくなっていきます。

■認知症はなぜ起きるのか

 上述の通り、認知症は脳の衰えによって起こります。しかし、脳の衰えとは具体的にどんなことで、なぜ衰えるのでしょうか。

 『認知症の脳もよみがえる 頭の体操』(アチーブメント出版刊)によると、認知症にもっともつながりの深い脳の部位は、前頭葉にある前頭前野。この部分はインプットされた情報の処理をつかさどる部位で、「衝動的な行動を我慢する」「衝動的な気持ちを我慢する」「人と対話する」「意識や気持ちを集中する」など、人間が人間らしくあるために必要な、次元の高い機能を持ちます。この部位が使われないことで衰えてしまうのが、認知症の原因だとされています。

■こうして「できていたこと」ができなくなっていく…

 しかし、単に情報を処理するだけなら、どんな人でも日常生活の中で行っていることです。衰えてしまうほど前頭前野を使わないことなどあるのでしょうか。

 ここでキーワードになるのは「速度」です。

 思えば学生時代のテストや受験は、時間内にどれだけ大量の情報を処理するかという時間との戦いでしたが、私たちは歳を取るにつれて物事をできるだけ速く行うことをしなくなります。

「使わない機能は退化する」が生物の常。

 全速力で走ることをしなくなると、どんどん走るスピードが遅くなるのと同じで、全速力で情報を処理する経験をしなくなったことで「速度を出す」という脳の機能が使われなくなり、これまで出せていた速度が次第に出せなくなっていきます。これは紛れもない「老化現象」です。

 ならば、生活の中で何かをフルスピードで行う時間を作れば認知症の予防になるのでしょうか。

 これはその通り。短時間でできるだけたくさんのことを記憶したり、短時間でできるだけ多くの計算問題を解く「脳トレ」が脳の活性化に効果的とされるゆえんです。

 本書では、脳科学者である著者、川島隆太氏が脳の若返りに効果的とする脳のトレーニング問題や、認知症が起きるメカニズム、そして認知症になりにくい生活スタイルなど、認知症についての正しい知識と対策を授けてくれます。

 生きている限り、はっきりした頭でいたいのはどんな人でも同じはず。記憶力の衰えや物忘れで「あれっ?」と思ったことがあるなら、意識的に脳を動かすトレーニングを始めておくべき。本書はその助けになってくれるはずです。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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