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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

フィリピン、「国民の高い英語力」のおかげで経済が急成長している理由

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 だが、シェアにしても、部屋を借りられる人はまだ恵まれているほうかもしれない。外を歩けば、否応なく多くのホームレスの姿が目に入ってくる。日本でホームレスといえば、ひょっとすると自分の狭いマンションよりも居心地がいいのではないかとも感じる川沿いの小屋などを思い浮かべるかもしれないが、こちらのホームレスは家がないだけではなく、何もない。通行人にお金を入れてもらうための缶やコップを道端に置き、ただ座ったり、寝たりしている。日本では見ることがなくなった、こうした光景が街のあちこちに点在している。

社会に貢献するマーケティング

 日本では社会貢献など、まったく意識したこともなかったが、フィリピンに暮らし、毎日こうした光景を目にすると、私のようなものでも何か社会に貢献できないかと思うようになってきた。

 マーケティングという学問領域においては、1960年代ごろより単なる利益追求ではなく、社会への貢献も重視する、さらには自社の社会貢献をアピールすることにより、顧客からより大きなロイヤリティを獲得するソーシャル・マーケティングという考え方が生まれている。

 こうしたソーシャル・マーケティングのなかでも、とりわけ近年注目されてきているものにCRM(Cause Related Marketing = 良い理由・根拠に基づくマーケティング)がある。代表的な事例として、1983年にカード会社のアメリカン・エキスプレスが実施した、“自由の女神修復キャンペーン”がある。その内容は、カードの発行1枚当たり、またはカード利用1回ごとにアメリカン・エキスプレスが自由の女神修復に対して寄付を行うというものである。キャンペーンの結果、170万ドルが寄付され、またアメリカン・エキスプレスにおいても、カードの新規申込5割アップ、利用額3割アップというメリットがあった。

 今後、フィリピン社会への貢献を目指し、企業に対して、こうしたソーシャル・マーケティングおよびCRMを企画・提案していきたいと考えている。
(文=大﨑孝徳/デ・ラ・サール大学Professorial lecturer)

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