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2位は麦焼酎「いいちこ」の三和酒類。1980年代前半の第2次焼酎ブームを牽引したことで知られる。当時、「缶チューハイ」に代表される酎ハイが人気を集め、甲類焼酎の消費量が飛躍的に伸びた。この時代、乙類市場の中心だったのが、麦焼酎の代表銘柄「いいちこ」だった。「下町のナポレオン」のキャッチフレーズで一躍有名になり、売り切れが続出した。第2次焼酎ブームは麦焼酎ブームだった。だが、近年は、芋焼酎に押されて苦戦している。
3位はオエノングループ。酒類の総合メーカー、オエノンホールディグス(HD)では、傘下の合同酒精、福徳長酒類、秋田県発酵工業の3社が焼酎を製造している。3社の焼酎事業の売上高「有価証券報告書記載のセグメント別アイテム(主要製品)別の販売実績」を集計したもの。2008年以降、連結売上高に占める焼酎の比率が5割を下回っており、集計対象外となっていたが、10年ぶりにランキングに復帰した。
北海道の地焼酎として発売した紫蘇焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」を全国的にヒットさせた。
オエノンHDは、梅酒で知られる合同酒精を母体とする持ち株会社。清酒や焼酎メーカーを次々と買収して総合酒類企業となった。今後、焼酎メーカーの買収を進め、焼酎業界再編の台風の目となるとみられている。
焼酎の復活はSNS映え
焼酎ブームといわれた2000年代半ばは、芋や麦など原料の風味が強く出る本格焼酎が市場を引っ張った。しかし、国内の焼酎消費量は07年度(100万キロリットル)をピークに減少が続き、16年度は83万キロリットルと17%減少した。
若者を中心とした酒離れが指摘されているが、それだけが原因とはいえない。ウイスキー(前年度比7%増)は缶ハイボール、リキュール(同1%増)やスピリッツ(同13%増)は缶チューハイや缶カクテルなど、割る手間がかからないアルコール飲料市場の拡大により、消費量が伸びている。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で存在が認知され、スマホ時代に人気を得たという側面もある。
焼酎ブームをもたらしたのは、グルメ雑誌やテレビだった。SNS映えする焼酎が発信力を取り戻せば、第4次焼酎ブームが期待できるかもしれない。
(文=編集部)
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