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関西空港の脆弱性、日本経済の大きな足かせに

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アジアからの観光客の玄関口

 関西エアポートは16年4月に運営を開始した。3期目にあたる18年3月期の連結決算によると、関空の旅客数は2880万人。17年3月期に比べて308万人増えた。このうち国際線旅客数は2190万人で初めて2000万人の大台に乗せた。国際線の外国人旅客数は1501万人。前期比258万人、21%増と大幅に増え、過去最高を記録した。

 国際線旅客数の内訳は、韓国が28%、中国は21%、この2カ国以外の東南アジアが15%。伸び率は韓国が前期比27%増、中国は同16%増と高かった。日本に入国する外国人の3割近くが関空を使ったことになる。格安航空会社を使ってやって来る観光が多いからだ。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計によると、17年に近畿6府県で訪日客が使った金額は約1兆1000億円。大阪の主要百貨店は訪日客で賑わい、高島屋の18年2月期の売上高は大阪店が首都圏の店舗を抜き、66年ぶりにグループ全体の首位に返り咲いた。

 SMBC日興証券は、関空の国際線が飛ばないと訪日客が1日ごとに2万人ずつ減ると予測。また、国内に落ちるお金が1日当たり24億円減ると試算している。第1ターミナルが全面再開した21日までに約36万人が減少、約400億円の消費が消えたことになる。

 西日本高速道路は9月18日、関空への連絡橋の道路部分の完全復旧が19年4月末のゴールデンウィーク前になることを明らかにした。タンカーが連絡橋に衝突した影響で運休していたJR西日本と南海電気鉄道は18日、関空路線の運行を再開した。

 関空の機能不全は、観光・消費に大打撃をもたらす。しかも、影響は観光だけではない。

 関西エアポートの18年3月期の連結決算によると、売上高に相当する営業収益は前期比15%増の2063億円、営業利益は40%増の529億円、純利益は67%増の282億円だった。関空と伊丹の総発着回数が過去最高となり、着陸料や空港施設利用料が増えた。

 着陸料など航空部門の収入は873億円で、70億円の増収。国際貨物量が好調だったことによる。国際貨物量は83.2万トンで前の期より13%増えた。

 今年1~6月期の国内空港全体に占める関空の貿易シェアは、輸出が29.3%、輸入が20.5%。

 関空で航空貨物の2割を発送しているパナソニックは、電子部品の輸出を成田国際空港、東京国際空港(羽田)、中部国際空港、福岡空港に振り分けた。関空は国際貨物エリアの復旧の見通しが立たず、被害は深刻だ。

 非航空部門は192億円の増収で1190億円と、過去最高を記録した。全体に占める非航空部門の割合は58%。関西エアポートは非航空部門で稼いでいる会社なのだ。

 免税店事業が49%増と成長を牽引した。免税店における中国人の購買高は全体の63%を占めた。中国人観光客が免税店の“上得意”だ。

 18年4月から神戸空港も含めた関西3空港の一体運営が始まり、19年3月期には3空港合計で5000万人の利用を目指している。

 関空の機能不全で、日本経済への影響が懸念されるなか、官邸主導で伊丹、神戸の2空港が国際線を含めて関空を助けるという異例な対応が決まった。伊丹、神戸は国内線だけを就航させる取り決めだったのを反故にしたかたちだ。

 安倍政権は、観光を成長戦略の柱に据えている。安倍政権下で目に見えて伸びた経済指標はインバウンド消費だ。インバウンドの要の関空が機能不全に陥り、観光立国の戦略に影を落とすこととなった。
(文=編集部)

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