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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

ボーイング、14年ぶり新型機「B797」開発で苦悩…完成時にはエアバスが市場独占の懸念も

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 A321neo/A321LRの躍進ぶりに対し、ボーイングも決して手をこまねいてきたわけではない。当初は、ベストセラー機B737の新型エンジン装備機であるB737MAXの胴体を延長して対抗しようとした。A321neoと同じ240席クラス、また燃料タンクを増設してA321LRを超える4500海里(8330km)の航続距離を目指すとの観測もあった。

 しかしながら蓋を開けてみると、昨年6月に「パリ航空ショー2017」で発表されたB737MAX 10は、席数は230席、航続距離は3215nm(5960km)止まりだった。もともとB737は設計が古く、胴体延長にも限界があり、これ以上の大型化は、同時並行で検討中の新型ワイドボディ機で実現する方向に戦略転換したのだった。

ワイドボディの快適性とナローボディの経済性の良いとこ取りの「B797」デザイン


 ボーイングは、公式的にはこの新型旅客機のことをいまだにB797とは呼んでおらず、もっぱらNMA(ニュー・ミッドサイズ・エアプレーンあるいはニュー・ミッドマーケット・エアプレーン)と呼んでいる。要するに、中間的な市場をターゲットにし、小型旅客機B737と中型旅客機B787の中間に位置し、そのギャップを埋める、席数で約220席から270席の比較的小型のワイドボディ機の構想である。ボーイングは、このような中間市場の航空機需要が、今後20年で4000機から5000機あると見込んでいる。

 機材コンセプトの基本は、「ワイドボディの快適性とナローボディの経済性の融合」である。つまり、旅客には快適なワイドボディ機の2通路の客室を提供し、エアラインとしてはナローボディ機並みの低コストを享受するのである。このため、新たに採用されるといわれている特徴が、初の「胴体のハイブリッド化」である。これまでの胴体の断面は、通常ほぼ真円に近いが、この機体では卵型、上下に押しつぶした楕円形となる。この結果、機体の抵抗は減少し、機体の全備重量も減少するので、燃費は通常のワイドボディ機よりずっと良くなる。ただし、旅客輸送ではワイドボディ機並みだが、貨物はナローボディ機並みの低容量となってしまう点は、評価が分かれる。

「NMA/B797」のハイブリッド胴体のイメージ(提供:筆者)

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