1番の狙いは「往年の名作が復活」と話題になること
また、石川氏はINFOBAR xvを「記念モデルのようなもの」と評する。
「はっきり言って、auはINFOBAR xvで儲けようとか、スマホに取って代わる存在にしようとは考えていません。そもそも、機能が絞られているということはデータ通信量も少ないということなので、必然的に毎月の使用料金も低額になります。つまりauにとって、INFOBAR xvはあまり儲からない機種なんです。
ではなぜ今回発売に踏み切ったかといえば、それによってauのブランド価値を向上させる狙いがあったのだと考えられます。というのも、現在のau、ドコモ、ソフトバンクの大手3キャリアは、料金プランと取り扱い機種のどちらも大差ない、ほぼ横並びの状態となっています。さらに今後、楽天が第4のキャリアとして参入することも決定していますので、ここでauの名作であるINFOBARを投入することで、“auは他のキャリアとは違う”というイメージを出していきたかったのでしょう。
もちろん実機が売れるに越したことはありません。ただ、今回の発表があったとき、ネット上では大いに盛り上がりを見せていましたので、その時点でauの狙っていたイメージ戦略は成功しているわけです」(同)
INFOBARを使うならスマホとの「2台持ち」がベター
果たして今回のINFOBAR xvは「買い」なのか、そして実際に持つとしたらどのように使うべきか。
「例えばスマホを使ってはいるがアプリはほぼ使っていない、通話だけできればいいよという方、またはスマホから距離を置いてデジタルデトックスしたいという方であれば、スマホから乗り換えるだけの価値がある端末だと思います。
ただ、もはやほとんどの人にとってスマホは生活必需品となっていますので、完全に乗り換えるとなると生活に支障が出てしまいかねません。通話やメールはINFOBARに集約し、そのほかはスマホやタブレットで行う2台持ちというかたちが、最も現代の生活に即した使い方ではないでしょうか」(同)
あくまでスマホから乗り換えるのではなく、場面によって使い分ける2台持ちが最適解とのこと。2台持ちするうえでのポイントや注意点について、石川氏はこう語る。
「2台持ちとなると使用料金が高くなってしまうのでは? と心配するかもしれませんが、通話など最低限のケータイ機能に絞ったプランであれば、かなり安く抑えられます。そういったケータイ機能はすべてINFOBAR xvに集約して、スマホは格安SIMのものを使用すれば、2台持ちでもあまり使用料金は高くなりません。
そして1番重要なのは、INFOBAR xvをコミュニケーションツール専用機と割り切ることでしょう。おサイフケータイなどの機能が搭載されていない以上、普段からスマホ一つだけ持って出かけて、会計などもすべてスマホで済ませているというような方は、むしろ不便に感じてしまうかと思います。
往年の名作なだけあって根強いファンも多いですし、なによりデザインが魅力的なケータイです。スマホとの2台持ちで使い分けがしっかりできるなら、末永く安心して使っていけるかと思います」(同)
スマホのような便利さはなくとも、持つだけでワクワクするようなデザイン性が魅力的なINFOBAR xv。スマホ時代の今、あえて使ってみてはいかがだろうか。
(文・取材=A4studio)