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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

塩は摂りなさい!「減塩」信仰が体を蝕む?化学精製塩ではなく海塩を買うべき

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

自分にとっての適正量がわかる体づくり

 厚生労働省は独自に「日本人の食事摂取基準」を定め、そのなかで1日当たりの食塩摂取量の目標値を出していますが、当初は「男性10グラム未満、女性8グラム未満」としていたのを、2010年には「男性9グラム未満、女性7.5グラム未満」と変更し、さらに15年には「男性8グラム未満、女性7グラム未満」と引き下げています。

 筆者が思うに、高血圧患者の数をはじめとして、この改定によって日本人の健康レベルが上がったならばともかく、実際はそんなことはなく、相変わらず高血圧患者は増え続けています。つまり、この目標値はあてにならないのです。

 また、食品表示制度が施行され、食品の栄養成分表示には「塩分」ではなく「ナトリウム」と記載されていたのを、15年4月以降は新しい食品表示制度に則り「食塩相当量」と表示されることになりました。問題は、それらの表示が消費者に理解され、塩分の摂取量に影響を及ぼしているかどうかだと思います。

 読者の皆様は、この表示制度に則って表示されていることを、正しく理解できていますか。筆者には理解できません。ナトリウムというミネラル分を、どのように計算すれば食塩相当量になるのかわかりませんし、食塩相当量というものがミネラル全体の摂取にどう影響しているのかもわかりません。そんなものを表示して、何か意味があるのでしょうか。これまで、自分が食べるものに興味も持たず、関心も示さなかった人たちが、この表示を見て、何かを変えるでしょうか。

 それよりも厚労省は、ミネラル分がたっぷり含まれた“本物の”自然海塩を国民に薦めることが大切なのではないかと、筆者は考えます。そのためには、工業製品的加工食品を、国民の食生活から締め出すことが必要なのではないのでしょうか。なぜなら、その中にはナトリウムと塩素以外のミネラルがほとんど含まれない、「食塩」と呼ばれている物質が大量に入っているからです。国民の健康を守るべく、基準値などを定めている厚労省の本来のあり方と矛盾するものです。ましてや、その工業製品的加工食品を特定保健用食品(トクホ)に認定するなんて、ありえないことだと筆者は考えます。そのような食品の中には、食品添加物の一部としてナトリウムが多量に含まれています。

 さて、読者の皆様には、自分で自分の体が必要としている塩分量がわかるようになっていただきたいと思います。そのためには、正しい食生活を続ける必要があるわけですが、その時に参考にしていただきたいのが、本連載でも筆者が唱えている「オプティマルフードピラミッド」なのです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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