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「脱・紙」の日本製紙、経営に不安広まる…アマゾン効果で活況の製紙業界で一人負け

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 国内の大手製紙企業の業績が好調であることを踏まえると、日本製紙への懸念が高まることは無理もない。2018年4~6月期、各社の当期純利益を前年同期比でみると王子製紙は3.1倍、レンゴーは約1.9倍、大王製紙は約2.2倍増加した。いずれも、中国をはじめとするアジア新興国での紙おむつ事業やパルプ事業の成長、段ボール事業の増収などが寄与した。

日本製紙の収益の伸びを阻む要因

 
 日本製紙の収益低迷の要因は、大きく2つに分けられるだろう。

 まず、同社の紙・板紙の販売数量の3分の2程度を洋紙が占めていることは大きい。日本製紙の収益改善が思うように進まないのは、洋紙需要の落ち込みによるところが大きい。端的にいえば、同社が想定していた以上に洋紙需要の落ち込みのスピードが速いということだろう。

 洋紙需要の拡大が見込めないということは、日本製紙の売上高=トップラインの伸びが期待できないことと言い換えてよい。同社は生産能力の削減を進めている。それでも、需要の落ち込みが速いため、コストを削減しても思ったように収益性を改善させることができていないと考えられる。

 また、競合相手の戦略からの影響も大きい。国内外で王子製紙やレンゴーが積極的にM&Aを仕掛けている。端的にいえば、日本製紙が紙の生産能力を削減しているのに対して、ライバル企業は買収によって紙の生産能力を増強してきた。

 それは、規模の経済効果が働きやすい経営態勢を整えることといえる。一例をあげると、2016年にレンゴーは自動車部品などの重量物用段ボールの世界最大手を買収し、国内でも中堅製紙メーカーを買収してきた。2018年2月に王子製紙は国内第6位の三菱製紙に33%出資した。そうした攻めの姿勢が国内製紙業界の再編につながっている。

 日本製紙と王子製紙、レンゴーの戦略は実に対照的だ。日本製紙は洋紙需要の低迷への打開策として生産能力を削減せざるを得なかった。一方、王子製紙、レンゴーは買収戦略を中心にして生産能力を増強した。それは、段ボールの需給がひっ迫するなかで両社の価格交渉力の向上に貢献し、売上高が増加する一因になったと考えられる。

 ただし、規模の経済効果を重視した経営戦略が今後も企業の成長を支えるとは限らない。労働コストの観点からいえば、中国やアジア新興国の企業に比較優位性があるからだ。

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