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「脱・紙」の日本製紙、経営に不安広まる…アマゾン効果で活況の製紙業界で一人負け

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脱・紙を目指す日本製紙

 そう考えると、わが国の製紙企業にとって重要なことは、新しい製品の開発だ。見方を変えて日本製紙の経営を考えると、同社は既存事業の成長に限界を感じ、“脱・紙”の取り組みに注力してきたといえる。

 脱・紙とは、洋紙、板紙とは異なる製品から収益を得る考えを指す。それは、紙・板紙事業ではなく、生活関連事業(液体用の紙容器などの生産)を成長分野にしようとする構造改革と言い換えられる。段ボール需要のひっ迫を考えると、日本製紙はかなり思い切って改革を進めようとしている。

 2016年、日本製紙がウェアーハウザー社(米国)から紙容器の原紙事業を買収したのはその考えの表れだ。加えて同社は、将来的に自動車の内外装など幅広い分野での利用が期待されているセルロースナノファイバーの量産に向けた設備投資も行ってきた。

 2018年7月、日本製紙に追い風が吹き始めた。世界のコーヒーチェーン大手、スターバックスが2020年までにプラスチック製のストローの使用をやめると発表したのである。ウォルト・ディズニー・カンパニーも同様だ。理由は、ストローを廃棄する際に出る微細なプラスチックのごみが環境汚染につながるからだ。

 その「マグニチュード」は大きい。来年から米カリフォルニア州は、原則としてレストランがプラスチック製ストローを客に提供することを禁じた。わが国でも、ファミリーレストランのデニーズ等がプラスチック製ストローの提供を中止した。

 スターバックスなどの発表を境に、紙製ストローの使用が増えつつある。これは、日本製紙が待ち望んでいた環境の変化といえる。同社の紙製ストローは飲み物の風味を損なわないなど、プラスチック製ストローを代替する機能を備えている。世界的にみてもその技術は他に先行している。

 今後、日本製紙には紙製ストローのコストを削減し、機能面でも価格面でも競争力のある製品の創造を目指してもらいたい。同社がストロー以外にも新しい製品の開発を進めることができれば、経営への不安も徐々に解消されていくだろう。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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