「アメリカの世論というよりも、メディアがどういうふうに誘導したいのかということの表れと私は見ています。ワシントンポストもニューヨークタイムズも、スタンスは反トランプじゃないですか。安倍・トランプ路線でやっているのはダメじゃないかという視点から社説を書くと、そうなるということだと思うんですね。世論といってもですね、アメリカ人のほとんどは、普天間問題なんて知らないですから。ほんの一握りの人たちが意見を言っているだけで、アメリカ国民全員にとっては興味がない話でしょう」(同)

 中国との関係は、どうなっていくのだろうか。

「中国共産党の『人民日報』の傘下に『環球時報』という国際誌があります。そこに、中国は沖縄の領有権も主張できるとする記事が載ったことがあります。尖閣問題で日本が譲歩しないのであれば、沖縄の独立を支援すべきだということが書かれていたわけです。一般の民主主義の新聞が書くのであれば何を書いても勝手ですが、一党独裁で中国を支配している中国共産党傘下の新聞です。それは共産党の承認の下で書かれたものと見なくてはいけない。

 普天間問題がこじれて政府と沖縄が対立するということは、中国にとってはひたすら国益につながることです。だからこそ中国は介入しているのではないかと陰謀論を言う人もいますよね。実際に介入があるのかどうかはわかりませんけど、沖縄の基地問題が解消するというのは、中国にとってはつまらない話です。玉城さんが勝ったというのは、中国からしたら、それはもう“どんどんこじらせろ”と、ほくそ笑んで見ているのかなと思います。

 玉城さんはもともと自由党で小沢一郎さんとの関係は強くて、小沢さんは中国と大変近しい存在ですよね。小沢・玉城ラインで沖縄をかき回せば、これは中国にとっても利益になるでしょう。小沢さんも政治的にいいポジションを取れるので、小沢さんにしても中国にしても、願ってもないところに落ち着いたのかなと思います」(同)

2つの不都合な点

 玉城知事の誕生によって、今後求められることはなんだろうか。

「玉城さんの勝因として、2つの都合の悪いところを隠したということがあります。ひとつは、日本共産党が背後にしっかりついているということを、一所懸命隠しました。共産党が前に出ないように出ないように、相当に神経を使っていました。もうひとつは、普天間基地の危険性の除去については一言も触れないまま、選挙を進めたんですね。普天間が危険だから辺野古へ移設しようということになっているわけで、辺野古新基地建設反対一辺倒で、危険な普天間が使われ続けるのでは、本末転倒です。

 一方、沖縄は感情的に難しいところがありますので、正論を吐いているだけではダメですよね。安倍政権としても法的なところだけで突き進んでいくのではなく、普天間の危険性を除去するという目的を掲げながら、しっかりと沖縄に寄り添っていくという姿勢をしっかり取っていくべきでしょう。選挙の争点というのは基地問題だけではないので、今回すべてが決したというよりも、これはひとつの局面です。これから国政選挙も含めてさまざまな選挙もあり、いろんな場面で見て判断していかなければならないと思います」(同)

 玉城知事は10月4日の初登庁で、「いばらの道だが、そこにいばらがあれば、踏み締めて踏み越えていくという覚悟が必要だし、そのいばらをかき分けて突き進んでいきたい」「いばらをかき分けていったその先に、県民が求めている未来が必ず見えてくる。信じて突き進んでいきたい」と語った。
(文=深笛義也/ライター)

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