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「大して安くない」いきなり!ステーキ、いきなり深刻な客離れ…値上げ連発で行く意味消失

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 しかし、最近は「大して安くない」といった声を耳にすることも少なくない。「いきなり!ステーキ」は、立て続けに値上げを実施している。それにより商品の価格が高騰しており、たとえば、全店舗で販売している「リブロースステーキ」(現在、1グラム当たり6.9円)の1グラム当たりの価格は、昨年7月より前と比べ0.4円高くなっている。同じく全店販売の「ヒレステーキ」(同9円)は昨年3月に値上げし、0.5円高くなった。このほかにもいくつか値上げしており、値頃感は急速に低下している。

大量出店の勢いは維持

 依然として続く肉ブームのなかで、おいしいステーキを提供する店が増えていることも「いきなり!ステーキ」の競争優位性を低下させる要因となっている。日本フードサービス協会によると、17年の飲食店売上高は前年比で3.1%増えたが、そのなかでも特に「焼き肉」カテゴリーの伸長が著しく、7.8%増と大幅な伸びを示している。近年は、大小さまざまな企業が肉料理を提供する飲食店を出店しており、「いきなり!ステーキ」を取り巻く環境は厳しさを増している。舌の肥えた利用客が離れていったり、「いきなり!ステーキ」を選択肢から除外する消費者が増えていったりしたのではないか。

「いきなり!ステーキ」のブームが一巡したことも大きいだろう。今年4〜7月の客数がマイナスとなったのは、反動減による影響がある。昨年4〜7月の対前年同月比増加率はいずれの月も20%超と大きく上振れていた。昨年3月以前はマイナスの月も多く、昨年4月から急激に客数が増えていったことがわかる。

 昨年4〜7月において客数が大幅に増えたのは、話題性のあるキャンペーンやイベントがあったことが大きい。食べた肉のグラム数を記録できる「肉マイレージカード」の発行枚数が100万枚に達したことを記念し、同年4月10日〜5月9日に総額100万円のプレゼントキャンペーンを実施したほか、同年5月にペッパーフードサービスが東証マザーズから東証2部へ市場変更し、そのわずか3カ月後の同年8月には東証1部に昇格することが話題となった。こうしたことで「いきなり!ステーキ」に関心が集まり、客数が大幅に増加した。

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