今年4〜7月の客数が大幅に減ったのは、こうしたブームが去ったことも影響したと考えられるだろう。

 もっとも、「いきなり!ステーキ」の業績は決して悪いわけではない。むしろ絶好調といっていい。直近の18年1〜6月期の同事業売上高は、前年同期比2.1倍の234億円と大幅な増収を達成した。わずか半年で98店も新規出店し、店舗数が284店に拡大している。店舗数の拡大が業績に大きく寄与したかたちだ。

 新規出店では特にフランチャイズ(FC)店の出店が目立った。国内では、4割に当たる約40店がFC店での出店だ。業績不振に陥ったラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスがフランチャイジーとなって、昨年12月に傘下のラーメン店「幸楽苑」の店舗を転換するかたちで「いきなり!ステーキ」の1号店を出店した。同社は、その後も同様にFC店を次々と出店している。また、CDやゲームソフトを販売するワンダーコーポレーションも今年6月に「いきなり!ステーキ」を出店している。このようにして、FC店が一気に増えていった。

 各社は勢いのある「いきなり!ステーキ」をFC展開することで新たな収益源を確立することができ、ペッパーフードサービスとしては効率的に規模を拡大することができる。一方で、ペッパーフードサービスは直営店も大量出店している。こうして出店を進めたことにより、「いきなり!ステーキ」事業は大幅な増収となった。

 ペッパーフードサービスの業績も好調だ。18年1〜6月期の連結決算は、売上高が前年比81.5%増の279億円、営業利益は同24.1%増の14億円だった。「いきなり!ステーキ」事業が伸びたほか、低価格ステーキ店「ペッパーランチ」を運営する事業も伸長しており、大幅な増収増益となっている。

 とはいえ、客数減は一時的なものではない可能性も十分ある。こうした好業績に隠れてしまいがちだが、「いきなり!ステーキ」の客離れは深刻な事態であるととらえなければならないはずだ。こうした事態を投資家も懸念しているのか、4月10日に7000円つけていた同社の株価が、9月末には4015円にまで低下している。今後の客数の動向をより注視する必要があるといえるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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