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『獣になれない私たち』、『逃げ恥』超え予感の“得体の知れない感動”…新垣結衣、完璧

文=米倉奈津子/ライター

 その週の平日、晶はついに、京谷と母親の千春(田中美佐子)との食事の日を迎えたのだが、千春から「実家はどこ?」としつこく聞かれ、晶は、家庭内暴力がひどかった父親はすでに他界し、ネットワークビジネスにハマり晶や親族たちに散々迷惑をかけた母親とは6年前に縁を切ったきりだと告白。だが、そんな素直な晶を気に入った千春は、早く結婚するようせかし、京谷のマンションに引っ越すよう促すのだった。

 だが、晶と京谷には、結婚どころか、京谷のマンションに引っ越せない理由があったのだ。なんと、京谷はいまだに別れた元恋人の長門朱里(黒木華)と同居しており、晶もそれを知っていたのだ。

 やっと迎えた金曜、その日は一日中、松任谷や上野の尻拭いのために奔走し疲れ果てた晶は、その夜、会社で一人、まるで頭の糸が切れたかのように無表情になり、たて続けにスマホには入る九十九社長からの指示メッセージを無視する。帰りの駅、ホームに入ってくる最終電車にゆっくりと近づく晶。ふと我に返り踵を返すも、電車を乗り過ごし、無気力のままタクシーに乗り、「5tap」へ行く。

 そこには、また恒星の姿が。無表情で1杯、2杯とビールのグラスを空ける晶に、恒星は声をかけ、お互いにケンカをふっかけるような会話を始めるが、徐々に会話は深まり、一緒に店を出る。会計士である恒星の事務所の前まで来ると、恒星は「寄ってく?」と晶を誘うが、晶は断る。

 恒星との会話で少しだけ心がほだされた表情を見せる晶は一人、自宅マンションに向けて歩いていると、ある建物の壁に大きく呉羽の姿が写った写真が掲げられている。「5tap」で見たときのような派手な服とブーツをまとう凛とした呉羽の姿に、晶は立ち止まり見入る。

 そして晶は週が明けた月曜、その呉羽と同じような派手な装いで出勤し、同僚たちを驚かせ、九十九社長に自分の業務内容の改善書を突きつけるところまでが放送された。

『逃げ恥』を彷彿とさせる会話劇

 同ドラマは脚本が野木亜紀子、主演は新垣という、ちょうど2年前に放送されて大ヒットした『逃げるが恥だが役に立つ』(TBS系)と同じコンビの復活ということで注目を集めていたが、第1話の感想としては、『逃げ恥』と同じか、それ以上の出来の良さだと感じた。どことなく『逃げ恥』の雰囲気が残っているのも嬉しいし、まさに今の季節にぴったりな“しっとり”としたシーンがあるかと思えば、テンポ良いコメディータッチなシーンも散りばめられており、それらが適度に配分され、素晴らしい。

 また、劇中の要所要所で展開される会話のやりとりも、適度に気が利いていて、やりすぎず、しつこくなく、さらに絶妙な間が挟み込まれており、つい感情移入してしまう。

 会話といえば、やはりラスト。表情を失ったまま「5tap」に入ってきた晶と、恒星が、ポツリポツリと会話を始め、家路につくまでを描いた数分間の静かな会話劇に、このドラマの良さがすべて凝縮されている。

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