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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

災害で自宅や家財に多額の損失、払う所得税が全額免除される方法!

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士

災害減免法を適用する場合>
条件を満たせば次の所得に応じた減免割合で、所得税が減免されます。たとえば、所得が500万円以下であれば、所得税は100%免除されるということです。

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 上記は所得による区分ですが、会社員の場合の税込年収に換算すると所得500万円は年収約688万円、所得750万円は年収約966万円、所得1000万円は年収約1220万円となります。今回のケースでは所得金額が466万円なので、100%減免を受けることができ、約23万円かかるはずだった税金が0円となるというわけです。

 結局、雑損控除を適用すると約3.8万円の所得税、災害減免法を適用した場合は0円となりますので、今回のケースでは災害減免法を適用するほうが有利となります。

 ただし、災害減免法による軽減免除は損失を繰り越すことができない制度なので、もしも損害金額が多額の場合には、所得から差し引ききれなかった損失を翌期以降3年間繰り越することができる雑損控除のほうが有利となる可能性もあります。

 なお、国税庁の確定申告作成サイトでは、必要事項を入力すると自動的に有利不利を判断してくれますので活用してみてはいかがでしょうか。いずれを適用する場合でも確定申告が必要となります。

災害減免法の3つの要件

 雑損控除と災害減免法による軽減免除は、適用条件や対象となる資産などに異なる点があります。災害減免法による軽減免除の適用を受ける場合には次の3つの要件を満たしている必要があります。

(1)住宅や家財の所有者が納税者本人か生計をともにする総所得38万円以下の家族であること
(2)差し引き損失額が住宅や家財の時価の50%以上であること
(3)納税者本人のその年の所得(税込年収ではない)金額の合計額が1000万円以下であること

 また、雑損控除であれば確定申告をすることで自動的に住民税も税金負担を軽減することができましたが、災害減免法による軽減免除の方法は、地域によって住民税の取扱いが異なりますので注意してください。

 そのほか、以下に違いをまとめましたので参考にしてください。

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平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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