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ケースで見る!「働くハイスペック女子」への処方箋

職場で更年期障害とみられる女性への適切な対応 自身が更年期だと感じた場合の対処法

文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表
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 その一方で本人自身は、いろいろな意味で自分を見つめなおす余裕がなくなってしまっており、結果として状況を改善する機会を逃してしまうことは、残念ながらよくあるようです。ハイスペック女性であればなおさら、自己評価の高さから、進んで周囲に相談することが難しいということはあるでしょう。そんな場合、会社で身近にいるあなたはどう行動したらよいのでしょうか。

 もし、みなさんの周囲に衝動的な問題行動を起こす女性がいる場合、「更年期障害でイライラしているのではないのですか?」などと聞いてはいけません。できれば上司から、組織として受け入れられない行動について具体的に指摘をし、改善を求めてもらうことです。その一方で、感情の管理が難しいようであれば、産業医に相談をするよう促します。必要であれば、そこから外部の心療内科や精神科、婦人科を紹介し、受診させることができます。ポイントは、不適切な行動は行動として冷静に指摘をし、その背景に体調や感情の問題がありそうなら、その対応は分離して医師に委ねることです。「混ぜるな危険」ということです。

自分で自分のコントロールを取り戻す

 では、あなた自身が当事者になってしまったら、どうしたよいのでしょうか。イライラしているとき、ある程度自分で自分のコントロールを取り戻すことができるようにする方法があります。私は、悩みを抱えて面談にやってくる女性に次のような方法をアドバイスしています。

(1)思考を一時停止する

 イライラして爆発しそうなときは、ちょっと間を置くと、反射的にキレることを防ぐ効果があります。数秒間、時間をかせぐだけでいいのです。反射的に行動することをストップできると、脳の中で感情をつかさどる大脳辺縁系が優位な状態から、感情をコントロールする大脳皮質の活動が優位になって、冷静になることができます。

(2)いい部分に目を向ける

 たとえば会社の上司や部下、同僚などに対してイライラする感情を持ったのなら、彼らが過去にしてくれた手助けや、かけてくれた優しい言葉を思い出すようにします。

(3)怒ったときの記録を残す

 自分が怒った理由がわかり、怒りのパターンが把握できます。どんなきっかけで怒りやすいかがわかれば、そうならないようにすることもできますし、怒りがエスカレートしないような対策を講じることができます。別の言葉で言えば、怒りを客観化し、「怒っている自分」をメタ認知すれば、怒りに対処しやすくなります。

(4)相談相手を持つ

 自分の感情を吐き出すだけで怒りが収まることもあります。ため込んだり、抑え込んだりすると、ストレスが積み重なってしまいます。

 人生の秋は、もの悲しいものでも、強風吹きすさぶものでもありません。ハイスペック女子の秋が実り多きものでありますように。
(文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表)

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山野美容芸術短期大学客員教授。ドクターズヘルスケア産業医事務所代表。東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒。パリ第1大学大学院医療経済学修士、WHO健康都市プロジェクトコンサルタント、保健所勤務などを経て産業医事務所設立。10年にわたる東京女子医科大学附属女性生涯健康センターの女性外来、産業医として数千人の社員面談の経験より、働く女性のメンタルヘルスに詳しい。著書に『ハイスペック女子の憂鬱』(洋泉社新書)ほか。

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