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カール教授の超入門ビジネス講座

「弱いつながり」のほうが有益な情報を提供してくれる…ネットワーク理論の研究で判明

文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長
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 つまり、その図において重要なのは、「点」で表されるもの(この場合は駅)がどのように他の点とつながっているか、ということだけなのです。こうした「点」とこれらを結ぶ「線」からできる図形のことを、オイラーは「グラフ」と呼びました。

 このとき「点」のことを頂点(ノード)、ノードとノードとを結ぶ線のことを辺(エッジ)と呼びます。そしてノードとエッジでつくられたつながりのことを「紐帯(ちゅうたい)」といいます。グラフ理論とは、このような頂点のつながりの関係を表現し、研究する分野のことです。

 古くは18世紀からネットワーク理論は存在したものの、それが急速に注目を浴びてきたのは1998年以降であり、かなり新しい研究分野ということができるでしょう。

 ネットワーク理論の特徴のひとつは、その人(ノード)のプロフィール自体には「関心をもたない」ということです。

 たとえば、皆さんがフェイスブックのようなSNSで知らない人から「友達申請」を受けたとしましょう。そのとき、どう行動するでしょうか。ある人は、知らない人はすべて無視するかもしれません。ある人は、とりあえず申請者のプロフィールを見て、どんな人だろうかと推測するかもしれません。ある人は、共通の友達がどのくらいいるのか、その人の友達にはどのような人がいるのかをチェックしたり、友達の数やフォロワー数を確認したりするかもしれません。それらの数が多い人は人気があって信頼できる人なのではないか、と考えて、実際には面識がなくても「友達申請」を承認することもあったりするでしょう。

 ここにこそ、ネットワーク理論の本質があります。繰り返しますがネットワーク理論とは、ある人の友人関係などその人と他人との関係性に着目して、その人自体を理解しようとする学問なのです。言い方を換えれば、「つながりを分析することで対象となる人やものを理解する」学問であるともいえるでしょう。

 そして、なぜネットワーク理論が、その人のプロフィール自体には関心を持たないかといえば、「性別や年齢など個人が生まれ持った先天的な要因や、その後の学歴や職歴や経験などの後天的な要因よりも、その人の持つ他人との関係性、すなわちネットワークが、その人の行動などに大きな影響を与える要因になる」と考えるからです。

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