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吉野家HD、売上増なのに赤字転落の惨状…空前の人件費膨張&ステーキ苦戦で利益食い潰す

文=編集部
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 どんは、ステーキのどんを中心に不採算店を閉鎖。リストラに取り組んだ。しかし、10年2月期の単独決算の最終損益は28億円の赤字となり、期末に17億円の債務超過に陥った。大証が指定する猶予期間中に「利益1億円以上」という上場基準を満たせず、10年7月に上場廃止となった。

 以後、吉野家HDがどんの再建に取り組んできた。15年9月、株式交換方式で吉野家HDの完全子会社とした。社名をどんからアークミールに変更。新しい社名は掛け橋を意味するアーチと食事のミールを掛け合わせた造語。さまざまな出身母体の社員が垣根を越えて融和するという意味合いを込めた社名だ。

 アークミールは、ステーキのどん、ステーキハウスフォルクス、しゃぶしゃぶどん亭、ドン・イタリアーノを運営。関東、関西、九州に計177店を展開している。吉野家HDはステーキ店を牛丼に次ぐ営業の柱に育てようと考えた。

 その頃、外食業界は空前の肉ブームに沸いていた。焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶが定番だったが、赤身肉や熟成肉をメインに据えたステーキハウスが新たに登場。13年の米国産牛肉の輸入制限の緩和、15年のオーストラリア産牛肉の関税引き下げが起爆剤となった。

 米国の高級ステーキハウスが日本に進出するなど、ステーキハウスは戦国乱世模様となったが、立ち食いでステーキが手軽に食べられる、ペッパーフードサービスの「いきなり!ステーキ」が、その中から抜け出した。

 一方、アークミールはブームに乗り遅れた。同社の18年3~8月期の売上高は103億円で、前年同期より11.6億円、10.1%減った。セグメント営業利益は3.4億円の赤字(前年同期は2.1億円の黒字)に転落した。アークミールの低迷が、吉野家HDが赤字を計上した大きな原因だ。

 期初の計画では、アークミールの19年2月期の既存店売上は前期比0.2%減としていたが、上半期の実績は2ケタの減。通期では想定しているような横這いでは収まらないだろう。

 通期の既存店売上計画は、吉野家が2.6%増。上半期の実績は4.0%増だから、慎重な見方をしていることになる。セルフ形式の讃岐うどん店の「はなまる」が1.0%増、都市型回転寿司「海鮮三崎港」を運営する京樽が3.6%増を計画している。アークミールだけがマイナス成長だ。

 上半期のセグメント営業利益は吉野家(12.4億円)、はなまる(7.6億円)、京樽(1.9億円)と軒並み黒字を記録したなかで、アークミールは3.4億円の赤字だった。アークミールの再建が吉野家HDの喫緊の課題となっている。アークミールは毎月2日と9日を「肉の日感謝デー!!」として、ステーキのどんで「熟成リブロインステーキ」を500円引きして販売する。

 牛丼戦争を生き残った吉野家HDは、ステーキ戦争で勝てるのか。
(文=編集部)

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