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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

大麻が合法な国で日本人が所持・使用は違法…処罰の対象に

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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 医師の処方により医療用大麻を使用するということが、治療として確立されているわけだ。日本とは大麻を取り巻く環境がまったく違う。嗜好品としての大麻合法化でも、医療用大麻同様の規定が設けられるという。

「大麻の合法化の目的のひとつは、嗜好品とはいえ健康被害がないように、体に有害な不純物などが含まれないよう基準を設けることです。当然、製造や取り扱いにもライセンスが必要となります」(同)

 合法化に伴い、大麻への監視が強化されるといっていいだろう。

日本国民が成熟することが必要

 筆者が以前、東京・渋谷で大麻使用に関する取材を行ったところ、「海外で大麻を使用したことがある」と答えた人が多くいた。こういった人たちは、大麻が合法化されている国で使用することは問題ないと考えているようだが、実は大麻が合法化されている国であっても、日本人が大麻を所持すれば罪に問われる可能性がある。

 在バンクーバー日本国総領事館のHPには、以下のように日本人に向けて注意喚起がなされている。合わせて「カナダにおける大麻に関する法律」も掲載されているので参考にしてほしい。

 本年6月21日に成立しました「カナダにおける大麻に関する法律」が10月17日より施行されることに伴いまして、邦人の皆様に対し以下の注意点についてお知らせいたします。

1.カナダでは、本年10月17日から、大麻(マリファナ)の所持・使用が合法化されます。
2.一方、日本では大麻取締法において、大麻の所持・譲受(購入を含む)等については違法とされ、処罰の対象となっています。
3.この規定は日本国内のみならず、海外において行われた場合であっても適用されることがあります。
4.在留邦人や日本人旅行客におかれましては、これら日本の法律を遵守の上、日本国外であっても大麻に手を出さないように十分注意願います。

 海外とはいえ、日本人が大麻や薬物を好奇心で使用することは違法であるということを認識しなければならない。

 他方、薬剤師として他国の大麻に対する認識を知れば知るほど、医療用大麻は有用なものかもしれないと考えさせられるのも事実である。国として、有識者による大麻についての論議がもっと活発に交わされるようになってほしい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

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吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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