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木村隆志「現代放送のミカタ」

『獣になれない私たち』初回で露呈した3つの落とし穴

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 その点で気になったのは、『獣になれない私たち』のヒロイン・深海晶(新垣結衣)が、「恋がしたい」と言っていたこと。当作を見た視聴者を「恋がしたい」という気持ちにさせていない上に、「こういう恋もあるんだ」という傍観もさせていない。公式サイトのイントロダクションに、「ラブかもしれないストーリー」とうたっているだけに、恋愛ドラマとヒューマンドラマの中間を狙っているのかもしれないが、1話の段階では「わかりにくい」という印象を与えることになった。

 視聴者が当作を見て「恋がしたい」と思えないのは、ヒロイン以外のキャラクターにも原因がある。放送前は、新垣結衣、松田龍平、田中圭、黒木華、菊地凛子、伊藤沙莉、犬飼貴丈ら、人気者と演技派をミックスさせた豪華キャストに期待を寄せる声が多かった。

 しかし1話は、新垣結衣が演じる晶の魅力を引き立てるために、ほかのキャラクターをおとしめるようなシーンばかり。少なくとも視聴者は、相手役の根元恒星(松田龍平)に「調子がいいだけの毒舌男」ではなく、チラリとでも魅力を感じたかったのではないか。『逃げるは恥だが役に立つ』のように、放送を重ねるごとにヒロインの相手役や周囲のキャラクターが愛されていくかどうかが、成否の鍵を握っている。

東京人から見た「アラサー女性のリアル」

 3つ目のポイントは、東京人ならではの肌感覚。ハードでハラスメントの多い職場環境、結婚を先送りにしたがる恋人、相談できる友人がいない孤独、おしゃれなクラフトビールバーでストレス発散……これらはいずれも東京に住む人の肌感覚に基づく設定であり、「アラサー女性のリアル」とは言い切れない。

「東京を舞台にした、働く男女のドラマ」という意味では、平成初期に放送された『東京ラブストーリー』に近いが、今や時代は平成末期。地方の人々は東京の人々を落ち着いた目で見ているし、ネット上で「私たちは違う」と声を上げる術も持ち合わせている。地方の人から見たら、「『獣になれない私たち』なんて感覚は東京の人だけ。『獣にならなければ暮らしていけない私たち』が現実」という人が多いのではないか。

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