もちろん、ファッション性などの品質面において両者の間には開きがあるため、単純な価格比較は意味がない。高価格ジーンズは低価格ジーンズにはない品質がある。だが、たとえばユニクロは、世界に誇る日本のデニム生地メーカーのカイハラと組むなどして品質を高めており、品質の差は縮まっている。そのため、価格と品質のバランスにおいて、ライトオンが扱うジーンズの優位性は低下したといえる。

 低価格ジーンズ市場は活況を呈している。ユニクロの姉妹ブランド「GU(ジーユー)」が990円という圧倒的な低価格ジーンズを09年3月に発売し、大ヒットしたことで市場活況の口火を切った。この成功を知ったイトーヨーカ堂やイオンなど小売各社が、1000円未満の低価格ジーンズを相次いで発売するようになった。同年10月には、ドン・キホーテが「業界最安値」をうたって690円ジーンズを発売したことが大きな話題となった。そして、勢いを増したこれらの低価格ジーンズが、ライトオンから顧客を奪っていった。

 なお、先述した日本ジーンズ協議会発表のボトムスの国内生産本数は、同協議会加盟社の生産本数を合算したもので、ユニクロやイトーヨーカ堂、イオンといった低価格ジーンズを販売する企業はどこも加盟しておらず、これら企業の低価格ジーンズの生産本数が反映されていないことに留意する必要がある。

 同協議会に加盟し生産本数に反映されていたのはリーバイ・ストラウスジャパンやエドウィン、リー・ジャパンのジーンズなどだ。ライトオンはこれらのジーンズを主力商品として扱っていることから、同協議会発表のボトムス生産本数の減少とライトオンの低迷は、密接にリンクしているといえるだろう。

 ライトオンでは、ボトムスは商品部門別販売比率が3割強にも上る主力カテゴリーとなっている。店舗ではボトムスを好ロケーションで展開し、来店客にその存在を強烈にアピールしている。これはジーンズを売りにしているカジュアル衣料品店ならではだ。Tシャツなどのトップスを主力とするユニクロなどがトップスを好ロケーションで展開するのとは対照的といえる。

 このようにライトオンはボトムスが生命線となるわけだが、先述した通り、ライトオンが扱う高価格帯のボトムスは生産が低迷していったため、業績に大きな影響を受けることとなった。

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