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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

米国9・11テロ、その22年前にイスラエルが予告?テロ前からイラク戦争実行計画が存在か

文=筈井利人/経済ジャーナリスト

 とくに標的とするのはシリアとイラクだ。イノン計画は「シリアとイラクを民族・宗教ごとの地域に解体することは、イスラエルの東部戦線における長期の最重要目標である」と記す。現在両国では米国の軍事介入により、イノン計画が描いたとおりのことが起こっている。

 2000年、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『未来世紀ブラジル』などで知られるイスラエル出身の映画プロデューサー、アーノン・ミルチャン氏がメディア王ルパート・マードック氏と組み、テレビドラマシリーズ『ローン・ガンマン』を製作する。第1話「操縦士」では旅客機が遠隔操作でハイジャックされ、世界貿易センタービルに突っ込む。この回は同時テロの半年前の2001年3月、マードック氏傘下のFOXテレビで放映され、1300万人が視聴した。ミルチャン氏は1978年に製作した初期の作品『メドゥーサ・タッチ』でも、ジャンボ旅客機ボーイング747がニューヨークのパンナムビル(現メットライフビル)に突っ込むシーンを描いている。

 同氏はただの映画プロデューサーではない。イスラエルの最上級スパイだった。2013年にイスラエルのテレビ番組に出演し、イスラエルの核開発計画に協力する兵器ディーラーとして情報機関のために働いていたと告白。祖国のためにやったことで誇りに思っているなどと述べた。旅客機がニューヨークの摩天楼に突っ込むアイデアをどこから得たのだろうか。

イスラエルの期待どおりの展開

 そして2001年9月11日、映画で描かれたような米同時テロが起こる。間髪入れず、参謀総長や国防相を歴任したエリート軍人出身のイスラエル元首相、エフード・バラク氏が英国営放送BBC、マードック氏傘下の英スカイニュースに相次いで出演し、まるで準備していたかのように、テロとの戦いを呼びかけた。

 一方、1999年7月に初めての首相職を退いていたネタニヤフ氏も、同時テロが米国とイスラエルの関係に及ぼす影響についてニューヨーク・タイムズの質問に答え、「大変良い。(略)ただちに共感を生み出すだろう」と述べる。

 バラク氏やネタニヤフ氏の期待どおり、米政府は国民の後押しを背景にテロとの戦いに乗り出した。イスラエルにとって目ざわりな存在だったシリアとイラクは今や前述のように、国が解体されようとしている。

 ボリン氏は「9・11テロ攻撃は、イスラエルが前もって計画したテロとの戦いという戦争の計略を始めるために実行された」とみる。それが真実かどうかはさらなる検証が必要だが、テロとの戦いが正しいかどうかを判断するうえで、出発点となった9・11テロの真相から目をそらしてはならないことだけは確かだ。
(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)

●参考文献
デヴィッド・レイ・グリフィン、きくちゆみ他訳『9・11事件は謀略か——「21世紀の真珠湾攻撃」とブッシュ政権』緑風出版
Christopher Bollyn, The War on Terror: The Plot to Rule the Middle East

筈井利人/経済ジャーナリスト

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