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ベテラン経営者が語る、人間としての格の高めかた

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※画像:『人生経営論 あなたは、あなたの経営者』(ダイヤモンド社刊)

 所得格差の拡大や低賃金の問題、さらには長時間労働や過労死など、現代の働く人たちにとって過酷とも言える状況が日本を取り巻いている。

 近年では「働き方改革」によって、自分の働き方そして人生を見直す向きも出てきているが、終身雇用が幻想となり、この先どう自分の人生を歩んでいくべきか悩んでいるビジネスマンは少なくないだろう。

 そんなときに耳を傾けてほしいのが、『人生経営論 あなたは、あなたの経営者』(ダイヤモンド社刊)で語られている、久米信廣氏の言葉だ。

 本書は、土地・建設産業界でのマーケティングを手掛ける第三企画株式会社代表取締役の久米氏が、数々のビジネス書を手掛けてきた編集者・岡田晴彦氏の質問に答えながら、「自分の人生をより良く経営する」ための考え方を読者に教える一冊。久米氏と岡田氏の対話形式になっているため、ライブ感のある読書を味わえるだろう。

 40年近くにわたり経営者として会社を率いてきた久米氏の言葉は、現代人が抱える生きづらさの素(もと)を取り除いてくれる。ここでは本書から2つのアドバイスをピックアップしてご紹介しよう。

■勝っても負けても、自分を認めることが大事

 久米氏は「日本から横並びの文化が喪失している」と危惧する。この「横並びの文化」とは、「和を以て貴しとなす」という聖徳太子の言葉に象徴される文化で、常に周囲の人たちとの関係に気を配る日本人の特性ともいえる。

 しかし昨今、西洋から個人主義が輸入され、自分の権利を主張し、自分だけが勝てばいいと考えてしまっている人が増えている。

 久米氏は「横並びの文化」は日本の宝であり、「自分たちの考えとは異質な意見であっても尊重していってこそ本来の和の精神」だと説く。

 そして、自身の体験を引き合いに出しながら「負けても潔さがあって、皆納得していた」と述べ、「今は負けを認める潔さがなくなってしまい、往生際が悪い人間が増えたと思います」と指摘する。

 私たちは助け合いの中で生きてきた。ところが、そのことを忘れ、自分だけ幸せになろうとすると、逆に生きづらさが増してしまう。「勝っても負けても自分を認めることが幸せの第一条件であると私は言いたいのです」という久米氏の言葉は、多くの日本人の心に響くはずだ。

■周囲のことまで自分ごととして考えることができれば、格は高くなる

 もう一つピックアップしよう。

 「人格」の良し悪しはそのままその人の評価につながるもの。では、人格はどのようにして決まるのか? 久米氏の答えは「自分の認識している範囲がどこまであるかによって決まる」というものだ。

 例えば、乗っている自動車の四隅までを自分の体だと考えることができる人は、運転手として格が高い、逆に車を自分の体の一部と捉えられない人は格が低いということになる。

 つまり、自分の周囲にいる人たちを何人くらい認識できるかによって、「人間としての格」すなわち「人格」が決まるのだ。

 自分さえよければいいという自己中心的な振る舞いをしてしまう人は多い。だが、「自分は仕事を頑張っているから、それでいいじゃないか」と強調するばかりでは、格は高くならない。周囲にいる人たちのことも自分ごととして捉え、手を差し出したり、面倒を見たりすることで格が高くなっていくのだ。

 ◇

 自分の人生は自分だけのものではない。日本人は「和の精神」で助け合いながら生きてきた。もし今、生きづらさを抱えているならば、一度冷静になって自分の周囲を見渡してみてはいかがだろう。そこに苦境を抜け出すヒントがあるのかもしれない。

 本書では、日本人論や人生論、理性論など、私たちの生き方に関係する幅広いトピックが語られている。変化の速い現代社会の中で、より良く生きていくためのアドバイスを受け取ってほしい。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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