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『リーガルV』現役弁護士も大絶賛!実はあり得るシーンばかり!小鳥遊の行為も合法!

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 だが、そうした状況を利用して、されていないのに痴漢されたと主張して相手から示談金をふんだくるという、このドラマでもモデルになっているのと同様の事件は、かなりの数発生している。痴漢として逮捕されて否認していると長期勾留されるという事情は、今でも変わっていないのだろうか。

「今はそういうことはなくて、痴漢の場合はけっこう早く釈放されます。痴漢冤罪が社会問題化したので、警察や検察も慎重になっているんです。勤め先や住所がはっきりしていて、家族もいるということになれば、たとえ否認していても2~3日くらいで釈放されます。これが、住所不定だったりすれば別で、勾留され続けてしまうでしょう。これは、この2~3年で変わってきました。弁護士会のほうでも申し入れをくり返してきたこともあって、そうなってきています。警察や検察も、痴漢で家族や会社を捨てて逃亡したりしないだろうと考えるわけですよ。殺人や放火などの重大犯罪であれば、逃げるかもしれませんが。

 ですから、否認が認められなくても在宅起訴ということになるので、会社に勤めながら裁判で徹底的に争うということが可能です。痴漢で捕まったということ自体を会社に隠したいと思ったら、それも可能でしょう。逮捕されている2~3日の間に、警察や検察は『否認していると長期勾留されて、会社にバレて人生狂っちまうぞ。自白して被害者と示談しろ』と迫ってくるかもしれません。そういう場合のためにも、そんなことはなくて早く釈放されるんだということは、言っておきたいです。これはまだ一般には浸透していなくて、以前と同じ状況を前提にしてドラマはつくられていますね」

 そのように状況が変わっているとすると、必ずしも弁護士は痴漢事件で示談を勧めたりはしないのだろうか。

「これは本当に難しいところで、弁護士がその被疑者と面会して、アクリル板を通して話して、その人の言ってることを信じるかどうかです。本当にやってないと思ったら、示談は進めません。やっているのにやってないと言い張っていると感じたら、示談を勧めます。被疑者が無罪主張をしている時に、弁護人がそれを信じて無罪主張に乗っかるかどうかという問題は、痴漢に限りません。そこは『私はやっていない』という言葉だけでは判断できないです。逐一どういう状況か、その時のことをしっかりと話をしてもらって、その流れに嘘偽りないな、淀みないなということを弁護士がしっかり理解すれば、『じゃあこれは無罪だ』ってことでやると思います。

 そこは弁護士によりけりで、幅があるでしょうね。弁護士は、辞任ということができます。被疑者が無罪主張しているけれど、信じられないからそれには乗れないという場合は、辞任できます。裁判の途中で証拠が明らかになって、有罪だと弁護士が確信しても被告人が無罪を主張し続けている場合でも、『私はもうできません』と辞めることもできます。それくらい弁護人は自由に辞任することができるので、自分なりに考えることができるでしょう」

痴漢冤罪に巻き込まれたら、どうすべき?

 たとえ2~3日でも勾留されるのは、一般市民にとってはそれだけでも苦痛だ。やってもいないのに痴漢だと言われた場合、どうすべきなのだろうか。

「いろんな弁護士さんがいろんなことを言っていますが、とにかくホームで捕まらない、逃げられるなら逃げる、ということです。名刺を渡して『問題があるならそこに連絡してください』と話して、その場を立ち去るというやり方もありますが、とにかく駅事務室に行かないことです。

 私人逮捕といって、現行犯の場合、警察官でない一般人でも逮捕することができます。駅事務室に行くと、この私人逮捕になってしまいます。『証拠もないのになぜ逮捕?』と思われるかもしれませんが、痴漢というのは特殊な犯罪です。万引きなら鞄の中に商品が入っているでしょうし、暴行なら目撃者がいたり被害者が負傷したりしています。痴漢の場合、目撃者がいる場合もあるけど、周囲にわからないようにやるものでしょう。女性が『痴漢された』と言ったら、それが証拠と見なされるんです。現行犯逮捕というのは、わりと緩やかにやられてしまうのです。

 私人逮捕したら、その人を警察官に引き渡さなければいけないんです。勝手に釈放してはいけないんです。駅員は、警察官が来るまで待ってなければいけない。そして警察官にどんなに言い訳をしようと、私人逮捕された人を引き渡された警察官は、警察署まで連れて行って逮捕手続きをしなくてはいけないんですよ。それをやらないと警察官が違法になってしまう。警察官に判断権はないですからね」

 ドラマでは、痴漢だとして安田が駅員に捕まえられる現場に、青島弁護士は居合わせたが、もっと効果のある行動はなかったのだろうか。

「バッジか名刺を見せて、自分が弁護士であることを示して、『この状況下において、現行犯逮捕の要件は満たしていないので、駅員さん、この人を駅事務室に連れて行くことはできません。もしこの人が痴漢だと言うのであれば、この後の捜査を待つことにしましょう。この女の子を駅員さんが連れてって、何が起きたのかを取り調べてください。警察官を呼んで調べてください』と言って、安田を駅事務室に連れて行かせない。名刺をもらって、『じゃあどうぞ帰ってください』と言って安田を帰らせるのが理想でしょう。

 ただ、やはり『痴漢された』という女性の言葉が証拠と見なされるのが現状ですから、現行犯逮捕の要件を満たしていないというのを、納得させるのは難しいですね。考えられる方法としては、駅事務室に連れて行かれる前にその場で、安田に対して『あなた今疑われていますけど、この女の子とどういう位置関係だったのか、その時、何をやっていたのか教えてください』と質すことでしょう。

 ドラマでは法廷で言われますけど、女の子の左後ろにいて利き手の右手でスマホでメールを送っていて、左手でお尻なんて触れないでしょう、ということを、その場で引き出せればかなりベターです。ドラマでは、触られたというのは虚偽だったのですから、それで女の子のほうが『私の勘違いでした』と諦めるかもしれません。いずれにしても、たとえ弁護士であったとしても、あの状況での駅員の私人逮捕を止めるのは、かなり難しいですよ」

(文=深笛義也/ライター)

※後編に続く

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