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片田珠美「精神科女医のたわごと」

強制性交等の疑いで逮捕の東大生・慶応大生、自己愛性パーソナリティ障害の可能性

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 もっと単純な見方をすれば、単に性欲を我慢できなかっただけともいえよう。その一因として、名門大学に入るために犠牲にしてきたものを取り戻したいという欲望があるのかもしれない。

 あくまでも一般論だが、子どもの頃から塾通いで忙しく、あまり遊べなかったうえ、中学・高校の性に目覚める時期にも、受験のためには異性との交際などもってのほかと勉強を強要されてきた人ほど、大学に入ってからたがが外れたように遊び回るようだ。これは、やりたいことを我慢してきたので、“失われた青春”を取り戻したいという欲望が強いためだろう。

強い承認欲求と自己顕示欲

 この2人に共通するのは、テレビ番組やネット番組に出演したり、大学のミスターコンテストに出場したりして、派手な私生活を送り、しかもそれをわざわざ世間にひけらかしていたことだ。

 これは、認められたいという承認欲求と注目を浴びたいという自己顕示欲が強いせいであり、いずれも強い自己愛に由来する。そして、先ほど挙げた3つの要因も、強い自己愛の持ち主に共通して認められる。しかも、2人とも、SNSに自撮り画像を投稿する「ナルシシストぶり」が取り沙汰されていたので、自己愛性パーソナリティ障害の可能性が高いと思う。

 ナルシシストが何よりも恐れるのは、自己愛が傷ついて落ち込むことである。もしかしたら、この2人は大学入学時に多くの優秀な学生と出会って自己愛が傷つく危機に瀕し、それ以後自己愛を補強する必要に迫られたのかもしれない。

 とくに稲井被告は、東大に入って自分よりはるかに優れた頭脳の持ち主がたくさんいる現実に直面した可能性が高い。というのも、東大卒業後医学部に入り直した男性が、「全国の各高校でトップクラスの学力の生徒が東大に入る。だから、いざ東大に入ったとき、周りがすごすぎて、それまでの自信もプライドも粉々に砕けた」と話していたからだ。稲井被告も同様の経験をして、自己愛が傷つきそうになったので、それ以降“チャラさ”をアピールして自分の存在感を誇示しようとしたのではないか。

“チャラさ”をアピールしたのも、異性にモテることに執着したのも、自己愛の補強のためだろうが、その結果暴走してわいせつ犯罪に走り、自己愛が木っ端みじんに砕けるような事態を招いたのだから、皮肉なものである。
(文=片田珠美/精神科医)

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