11月1日、21時から放送予定だった米倉涼子主演の連続テレビドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)の第4話が、プロ野球・日本シリーズ第5戦の放送延長のために休止となった。
当初の放送開始時刻から遅れること45分、21時45分に放送休止を伝えるテロップが流れると、インターネット上では不満や怒りを訴える人が続出。「判断が遅すぎる! やり方が姑息」「急に休止って言われても、ドラマを待っていたファンに失礼」「視聴者をバカにしすぎ」「リーガルV休止? 後の番組はずらして放送するって言ってたじゃない!」という声が相次ぎ、ツイッターでは『リーガルV』がトレンド1位となった。
テレビ朝日のホームページでは、「よる9:50 リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~ #4」と変更された放送予定時刻も記されていただけに、野球中継が終わった後に放送があると信じて待っていたファンも多かったようだ。
『リーガルV』は、米倉が主演を務めた連ドラ『ドクターX~外科医・大門未知子』(同)の女弁護士版ということで放送前から注目されていたが、開始後は米倉と林遣都のバディが人気を集めている。特に、ドラマ内で「ポチ」という愛称の青島圭太(林)の存在は女性視聴者の母性本能をくすぐり、木曜夜のささやかな癒やしとなっているようだ。
第4話は“遺産相続”がテーマで、元AKB48の島崎遥香が昼間は看護師で夜は高級クラブのホステスという役柄で登場する予定だったが、翌週に持ち越された。
今週は日本シリーズの影響で10月30日の『中学聖日記』(TBS系)が40分遅れ、10月31日の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)が1時間15分遅れで放送され、いずれも前週の視聴率を下回り自己最低を記録している。そのため、「『リーガルV』が放送休止になったのは視聴率低下を避けるため」という見方もあるようだ。
さらに、一部のネットユーザーからは「リーガルV待ちでテレ朝を観ている人たちのぶんまで視聴率を稼ごうとしたのが見え見え」「引っ張って引っ張って中止はひどい。『チャンネル変えさせない詐欺』みたい」という声も噴出している。確かに、ドラマを見逃さないように、観てもいない野球中継をつけっぱなしにしていた視聴者も多かったのではないだろうか。
そもそも、日本シリーズの平均視聴率は第1戦12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2戦9.8%、第3戦10.1%と、初回15.0%、第2話18.1%、第3話15.9%と高視聴率を獲得してきた『リーガルV』に遠く及ばない状態だ。
野球中継が延長されるのは仕方ないが、早い時点で休止をアナウンスしていれば、ここまで不満の声が出ることはなかっただろう。ちなみに、2012年の『ドクターX』では、日本シリーズの放送で第3話が1週間延期されることが早々と決定した。その代わりとして、日曜昼に『緊急特番!ドクターX特別編』と題して、1話と2話のダイジェスト+3話の見どころを放送している。しかし、関東ではすでに最新回が放送される当日の14~15時台に前週の再放送を行っており、11月1日は第3話が再放送されていた。
とにもかくにも、テレ朝の判断が遅れたことで楽しみに待っていた視聴者をがっかりさせたことに変わりはない。結果的に苦情が殺到してしまったが、テレ朝にとっては大誤算だったのかもしれない。
一方で、ドラマ制作側としてみれば、『リーガルV』の放送休止に大きな反響があったことについては、かなりの手応えを感じているのではないだろうか。人気が継続すれば、『ドクターX』のようにシリーズ化も現実味を帯びてきそうだ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)