沖有人「不動産の“常識”を疑え」

持ち家を10年ごとに住み替えて利益1億円も…「家は一生もの」は幻想


 こんな住み替えができると、持ち家はお金をもらいながら住んでいるに等しい。家賃を払っている賃貸とは大違いで、ここ10年では、持ち家と賃貸のトータルコストは3000万円の差になっているのが実態だ。

 こうなると、「結婚したら」とか、「子どもが生まれたら家を買おう」という、これまでの常識は意味がないのがわかるだろう。独身のうちから家を買って、結婚する際は買い替えるのがこれからの当たり前だ。持ち家が資産形成できるのに対して、家賃は掛け捨てでしかないのだから。

10年で住み替えるべき11の根拠

 10年は、ライフイベント以外にも区切りとしてちょうどいい。その理由は11ある。

 詳細は本稿では割愛するが、(2)の住宅ローン控除だけでも400万円になる。全部合わせれば、知っているか知らないかの違いで1000万円は軽く超えるだろう。あとは行動あるのみである。

(1)含み益を実現益にしても自宅の売却益は3000万円まで無税である
(2)住宅ローン控除の期間が10年で切れる(最大400万円、共有なら2倍)
(3)「フラット35S」の金利優遇は10~20年で設定されている(最大約200万円の差)
(4)固定資産税の新築マンションの減額には5年の期限がある(数十万円の差)
(5)次に買いたい人は10年以内を望んでいる
(6)約10年で故障し始める住宅設備は多い
(7)共用施設は最初の数年だけで使われなくなる
(8)大規模修繕(築12~15年)を回避する
(9)築年で競争力を失い、貸す場合の家賃は安くなっていく
(10)自分が生きている間に耐用年数(47年後)が来てしまう
(11)売主の瑕疵担保保険の期間は10年で切れる

 だからこそ、その解決策が10年での住み替えとなる。
(文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント)

【※1】
住まいサーフィン

●このコラムには理解を深めるための動画を用意しています。沖が図解を含めて、直接レクチャーしています。「YouTube」でご覧ください。

沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は28万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。
住まいサーフィン研究所

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