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東京、水害ハザードマップ…墨田区・江東区、浸水5メートル&1週間のエリアも

文=北沢栄/ジャーナリスト
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江東5区が新避難計画

 こうした各種防災のなかでもっとも緊急性を要するのが、頻発する大雨による洪水や強度が増した台風が引き起こす高潮・高波被害への対応であろう。地球温暖化の進行に伴い、いずれも今後さらに増加していくことが懸念されるからだ。特に、暑さで水蒸気量が増大する梅雨の時期に豪雨の危険が一段と高まる。

 IPCC報告でも、温暖化が進むと、高・中緯度地域で気温・海水温が地球平均よりも大幅に上昇することが確認されている。中緯度に位置する日本で気温・海水温の上昇度が地球平均より高いのも、その表れだ。

 西日本豪雨の教訓のひとつは、被災区域がほぼハザードマップ通りだったことだ。国土交通省によると、西日本豪雨で土砂災害により犠牲になった119人の約9割が、ハザードマップにある住民の生命への危険性が指摘されていた土砂災害警戒区域で被災していた。

 とすれば、今後はハザードマップをしっかり生かし、防災・減災活動に当たらなければならないことを意味する。ハザードマップの運用問題が浮かび上がってきたのだ。

 その運用に当たっては、「災害の急激化と広域化」を想定してかからなければならない。その際、浸水しても2階に避難するのが困難な高齢者や障害者、乳幼児など「要配慮者」の救援を行政が最優先で対応することが重要だ。

 さらに、ハードとソフトの両面から対策を見直す。学校や公民館などの避難所自体が浸水する危険性を検証して、安全性の観点から避難先を改廃・再編する。ソフト面では河川の水位情報や避難情報の周知にスマホを活用する――などである。

 東京東部の江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)は8月、「大規模水害広域避難計画」を発表した。作成したハザードマップと一対で、対策をまとめたものだ。

 江東5区は低地帯で隅田川、荒川、江戸川などの大河川やその支流が多く流れる。水害には脆弱な地勢で、これまでも洪水や台風による高潮で大きな水害に見舞われた。地球温暖化の影響による台風の強大化や豪雨の激甚化などを想定して、江東5区に住む浸水区域内人口の250万人を災害から守るために策定した。

 想定する水害規模は、高潮・洪水とも江東5区がこれまでに経験したことのない「最大規模」とした。想定される事態として、「浸水が発生した場合には、最大浸水深は約10メートルの地域もあり」「江東5区は河川に囲まれており、避難のために人が集中する駅や橋梁のようなところでは混雑した状況となり群衆雪崩や将棋倒しが発生するおそれがある」などと具体的に言及した。

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