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『大恋愛』のここがヘン!「女医をバカにしている」と現役女医が激怒するシーン

文=井上留美子/医師
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採血結果だけで健康体なんて証明できない!

 一方、侑一の新しいお見合い相手の消化器外科の女医は、デートで採血結果を提出!“尚とかぶる女医”を演出するためだったのでしょうが、さすがに「女医をバカにしているのか?」と、怒りを感じた場面でした。女医はこんなことを重要視するほど、おバカではありませんよ。一枚でぴらっと渡せる採血結果で健康体を証明できるほど、医学は単純ではないことを、我々はよく知っています(感染症の結果は意味がありますが……)。

 ちなみに、私の印象では、消化器外科医にはちょっと見えません。見た目は、腎臓内科医という感じです。こればかりはうまく説明できませんが……。

 そして、侑一の母親・千賀子(夏樹陽子)もまた、“あるある”な感じ。決して悪い意味ではありませんが、医者の妻や母には、こういう感じの方がいます。ちょっと医療を聞きかじっているけれど、中途半端な“耳学問”の医学知識を持ち、それでも医療関係者ではない人と比べると、ちょっと知識があるのをひけらかしてしまう――。繰り返しますが、決して悪い意味ではありません。

 というのも、私の母がまさにそうなんです。医者の夫と娘を持ってしまったために、周りの友達に中途半端な医学知識を植えこんでしまいがちで、それが週刊誌的情報だったりします。「うちのルミもそうよね~って言ってたわ!」なんて言われてしまうから、こちらは訂正にてんてこまいするわけです(笑)。会話の端々に医学用語を使われてしまうと、周りの人は信ぴょう性が高いような気がしてしまうのでしょう。侑一の母も、女医である尚の母に牙をむいていました。同じにおいを感じます。

“できる医者”設定の侑一ですが、おぼっちゃま感を出すには、わかりやすくて良い演出だな~と思いました。今の段階では、あの母がいなければ、侑一はすごく良い医師で素敵ですね。もっと“感情的”な人になってほしいところです。

 第5話から、尚と真司の本気で病気と向き合った人生が始まりそうな予感がします。ここからが本当の闘いなのかもしれません。病気の本人、そしてその家族の苦しみと、その中にある幸せをどんなふうに見せてくれるのか。私にとっては、日々の外来に通じる感情も呼び起こされるドラマです。とても楽しみです。
(文=井上留美子/医師)

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井上留美子(いのうえ・るみこ)
松浦整形外科院長
東京生まれの東京育ち。医科大学卒業・研修後、整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。自他共に認める医療ドラマフリーク。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。
自分の健康法は笑うこと。現在、予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を開いてい。現在は二人の子育てをしながら時間を見つけては医療ドラマウォッチャーに変身し、HEALTHPRESS、joynet(ジョイネット)などでも多彩なコラムを執筆する。

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