中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

あなたの家の火災保険、地震や床上浸水は“補償対象外”になってる可能性があります

「Gettyimages」より

 2018年の夏は、自然災害だらけだった。地震、歴史的な暑さと大雨、台風、地震。日本だけじゃない。アメリカ南部を襲ったハリケーンに、インドネシアの地震と津波。被害を受けた方には、心からお見舞い申し上げる。

 しかし、日本に住んでいて良かったと思うのは、災害時に国や地方自治体からすぐに救助の手が差し伸べられること。ヘリコプターや船での救助、崩壊した家屋での捜索、シェルターや食事、水の配給。停電や断水のすみやかな復旧。もちろん完璧ではないが、同じ災害がほかの国で起こっていたら、被害者の数や被害の規模は何倍、何十倍になっていたかもしれない。

 もうひとつ素晴らしいのは、損害保険の普及。家が壊れた、車が流されたというときに、火災保険や車の保険(車両保険)に加入していれば(加入率はとても高い)、損害の大部分が補償される。家が壊れたり、車を失ったショックは大きくても、それを再び手に入れられる希望があるのは(時間がかかることはあるが)本当に素晴らしい。

 損害保険が普及していない、加入できる人が限られている途上国ではこうはいかない。17年にハリケーンに襲われた米国領プエルトリコは、いまだに多くの人たちが、壊れたまま、停電したまま、断水したままの住まいに暮らしている。町はハリケーンに襲われた直後で時間が止まってしまったかのようだ、という人もいる。

災害時の5ステップ

『50代のいま、やっておくべきお金のこと 新版』(中村芳子/ダイヤモンド社)

 では、実際に台風や大雨で被害を受けたときにどうすればいいか。

(1)損害保険会社(あるいは代理店)にすぐ連絡をする

 手元に保険証券がなくても、名前、生年月日、電話番号などで保険の内容はすぐわかるようになっている。被害の概要を話し、どのような手続きをしたらいいか教えてもらおう。

 多くの損害保険会社が専用の相談窓口を設けるなど、被害に迅速に対応するための体制を整えて努力をしている。

(2)被害状況の写真を撮影する。

 写真を取らずに片付けてしまったり、修理してしまうと災害で被害を受けたことが証明できないので、補償を受けられない。必ず写真をとる。スマホでOK。

(3)修理などの見積もりを依頼する

(4)送られてきた書類に記入し、被害写真や見積書などを添付して送付する

(5)損害保険金を受け取る

 何がどれだけ補償されるかは、加入している保険の種類によって違う。一定の免責額が設定されていると、損害がその金額以下の場合は支払われない。台風による高波で車が流されたり壊れた場合は、車両保険でカバーされるが、地震による津波で被害を受けた場合は、補償の対象にならない。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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