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米軍移転候補地の所有者に突然の破産申し立て…囁かれる防衛省の意図と「馬毛島」利権

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馬毛島を4億円で買収、米軍用の滑走路を建設

 立石勲氏は1933年、鹿児島県枕崎市で生まれた。地元の県立鹿児島水産高校を卒業。上京して64年に建設会社を立ち上げ、立石建設と砕石会社、立石建設工業の社長を務めた。

 米軍の使用を想定して、無人島の馬毛島を買収した。巨大な滑走路を建設。立石氏は07年、米軍空母艦載機離着陸訓練施設の誘致を表明した。

 ところが、ハプニングが起きた。沖縄・米軍普天間飛行場の移設問題だ。民主党政権の鳩山由起夫首相(当時)の「最低でも県外」発言以来、大混乱に陥った。移設先として、さまざまな地名が挙がった。

「政府から移設を求められれば、積極的に受け入れたい」

 立石勲社長はこう表明した。だが、立石社長の期待に反して、馬毛島移設は実現しなかった。

 迷走の果てに2010年5月、辺野古に移設することで日米が合意した。自民党政権時代に日米で合意していた辺野古への回帰である。沖縄県民に県外移設の期待を抱かせた鳩山政権は完全に信頼を失い、同年6月、鳩山氏は首相の椅子を手放さざるを得なくなった。

 さらに10年5月、立石氏の脱税が報じられた。防衛省と立石氏側の売却交渉は難航。12年、立石氏は「島を中国資本に売る」と発言して揺さぶりをかけた。16年、防衛省と立石氏は交渉のテーブルに着くことで合意したが、進展はなかった。

 最大のネックは、価格である。立石氏が07年、空母艦載機の発着訓練の誘致に名乗りを上げたとき、「買い上げ価格は200億円」と噂された。140億円かけて滑走路をつくったといわれるが、200億円で買い上げてもらえば単純計算で56億円近い儲けが出る。

 それから十余年。タストン・エアポートの負債は240億円と報じられている。200億円程度の買い上げ価格では赤字となる。果たして、どの程度の価格で折り合いがつくのかが、最大の見どころである。
(文=編集部)

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