志願したい大学ランキングに異変…早稲田が1位、慶應が7位転落、青学が大躍進の理由

関西ツートップは関西大学&近畿大学

 では、関東以外の「志願したい大学」の動向はどうか。

「進学ブランド力向上のカギは“改革”です。関西では、キャンパスを新設した関大が1位で、マグロの研究で有名になった国際色豊かな近畿大学が2位につけています。東海では、景気が悪くなると国立の名古屋大学が1位になり、良くなると私立の名城大が強くなる傾向があります。今は景気が良いので、総合、理系ともに名城大がトップになり、文系1位は南山大学です。名古屋大は総合2位となっています」(同)

 東海では、名城大、名古屋大、南山大の3強が4位以降に大きな差をつけつつあるという。名古屋大といえば、岐阜大学と運営法人の統合を発表したことでも話題になった。

 大学関係者は、「名古屋大と岐阜大が大学の未来像。今回の運営統合は、実質的に名古屋大による岐阜大の救済です。これから運営統合する大学が相次ぐと思います」と語る。

 小林所長は「『志願したい大学』で20位以内に入っている大学は、進学ブランド力がしっかりしている大学」と語る一方で、こう指摘する。

「進学ブランド力も知名度も低く、改革も進んでいないため経営的にも非常に厳しい大学が数多く存在します。地方でブランド力を高めるためには、ロボット工学で有名な金沢工業大学(石川県)、国際色豊かな国際教養大学(秋田県)、海外人留学生の多い立命館アジア太平洋大学(大分県)などのように、特色を打ち出すのがベストです」(同)

 地方では自分の学びたい学部や学科が存在しないため、大都市圏の大学に進学する若者が増え、それが大都市圏への人口流出が加速する要因にもなっているという。

「日本には約800の大学がありますが、そのすべてが生き残るのは難しいでしょう。今後は統合・連携が進むことが予想されますが、特に地方では高等教育の場として存続できるような施策が必要になってくると思います」(同)

 進学ブランド力を高め、勝ち残る大学はどこか。少子化の進む日本の焦点のひとつとなるだろう。
(文=長井雄一朗/ライター)

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