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八尾市さくら保育園、男性保育士による女子園児わいせつ行為を「スキンシップ」と強弁

文=深笛義也/ライター
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「今年の3月に横浜市鶴見区の保育園で、園長、主任含めてごっそり11人が退職するということがありました。これは新しくできた保育園に引き抜かれたのですが、こういう例は稀です。確かに保育士の収入は低くて、だいたい年収300万円くらいで、経験を積んでもあまり昇給はしません。それでもがんばっているのは、子どもが好きだっていうことが根底にあって、それに伴って子どもへの責任を強く持っているからです。一般の仕事であれば、何か理由があったら1カ月前に辞職の意向を伝えるというのが普通だと思いますけど、保育士さんの場合は、辞めようという場合でも3月末まではがんばろうと考えますね。あるいは3歳児の担任をしていたら、この子たちが卒園するまでは面倒を見たいのでがんばろう、と考える保育士さんもいます。やはり大きな問題があったから一斉退職ということになったので、そうそう起こりうることではないですね」(同)

必要な外部の目

 さくら保育園は来年4月から休園するために、園児約160人は別の保育所などに移ることになる。さくら保育園は補助金で運営されている社会福祉法人であるから、行政の指導で第三者委員会をつくり経営者を交代させることもできるのではないか。

「経営陣を代えるというのがベストでしょう。だけど、保育園というのは、その市区町村が認可を出してるんです。経営陣のことを問題にすると、認可していた行政側も責任を追及されかねません。今回の件では、マスコミに報じられたから職員が集まりにくいということを行政側は言っていますけど、経営陣のことを責められないからマスコミのせいにしているのではないでしょうか。経営陣を代えるという方法を採らないのは、端的に、めんどくさいということもあると思います。他の保育園に移ってくださいというほうが簡単じゃないですか。こんな問題が起きた後なので、よほどしっかりとした経営者を探さないといけないけど、そう簡単には見つからないでしょうから。ただし、近年は保育園が乱立し、保育の質の低下が叫ばれています。私のサイトにも驚くほど劣悪、かつ酷い経営・運営をしている保育園に関する話が届いています。そうなると、今までは極めて稀だった保育士の一斉退職という自体が、今後は増えてくるのではないか? と懸念しています」(同)

 今回の問題が、保育業界が抱えている問題に通じる部分はあるのだろうか。

「外部の目が入りづらいということがありますね。ご承知のように、保育園が足りなくて困っている親御さんたちが多い状況なので、外部の目を入れるということにインセンティブが湧かないんですね。保護者の方たちは自分が働くために、とにかく子どもを預けられる保育園がほしい。今、待機児童が本当に増えていてニーズがすごく高い。とにかく保育園をつくらなきゃいけない状態で、質より量。試験のハードルを低くする代わりに合格した地域だけで働けるという、地域限定保育士という試みが各地で今行われています。要は保育園という箱をつくっても、人がいないと困るので、何がなんでも人を増やそうということです。人を増やそうと考えるのだったら、働きやすい環境をつくるということも考えるべきでしょう。保育士の獲得という面からも、外部の目を入れて内部をきちんと公開していくべきだと思います」(同)

八尾市は取材拒否

 さくら保育園で起きた問題をどう捉えているのか、八尾市こども未来部子育て支援課に問い合わせたところ、保護者からの要請によって取材への対応は控えているとのこと、被害を受けた幼児や保護者へのケアは行っているとのことであった。当事者である、さくら保育園は現在運営がされているのかどうかも含めて、一切取材には応えられないとのことであった。

 日本でも「説明責任」が問われるようになって、長い年月が経った。さまざまな取材を行っていると、たとえ不利な立場であっても、できるだけ取材に応えようとする企業、人物が今では多い。さくら保育園と八尾市の対応には、保育の世界の閉鎖性を見せつけられた感が否めない。
(文=深笛義也/ライター)

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